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コンセプトとは?競合との差別化に欠かせないコンセプトの重要性や作り方のポイントを解説

コンセプトとは?競合との差別化に欠かせないコンセプトの重要性や作り方のポイントを解説

「事業」「製品」「サービス」「デザイン」「ブランド」など、ひと口にコンセプトといってもその種類は多様で、ビジネスにおいてもさまざまなコンセプトが存在しています。なぜ、さまざまなものにコンセプトが存在しているのでしょう。それは、コンセプトのない製品やサービス、事業などでは競合との差別化が難しくなるうえ、そもそも製品やサービスを作り出すことさえ困難になってしまうからです。そこで、今回はコンセプトの概要や重要性を見たうえで、コンセプトの作り方やそのポイントについてお伝えします。

コンセプトとは?

コンセプトを最もわかりやすく説明するとすれば、それは、「方向性」です。この記事の中での「コンセプト」は辞書的な意味ではなく、ビジネス用語としての定義を前提としています。方向性というと、「テーマ」と混同される方も多いかもしれません。しかし、コンセプトとテーマはまったく別のものです。

例えば、ある飲食店が、「20代の若者をターゲットに低価格でカジュアルに楽しめるおいしいフランス料理のメニュー」を開発するとします。この場合のテーマは、「20代の若者」です。そして、「低価格でカジュアルに楽しめるおいしいフランス料理」がコンセプトになります。

ポイントは、「20代の若者」というテーマが最初にある点です。つまり、20代の若者をターゲットにしたフランス料理のメニューを作りたいという方針がコンセプトよりも先にきます。そのうえで、ではどういった方向性で作っていこうとなった際に、「低価格でカジュアルに楽しめておいしいものにしよう」というコンセプトが生まれるのです。

コンセプトの重要性

ビジネスを行っていくうえでコンセプトはなぜ重要なのでしょう。具体的には次のような点が挙げられます。ここでは前述の飲食店を例に説明します。

1)顧客の課題解決につながる

顧客の課題解決をすることを考えずにコンセプトを決めても、顧客は興味を持ってはくれないでしょう。コンセプトは、顧客の課題解決につながるものである必要があります。「20代の若者にとって高級フランス料理は、食べてみたいものの値段が高くて敷居が高い」「もっと気軽にフランス料理を楽しみたい」といった課題を解決するコンセプトになっています。

2)コンセプトのない事業・製品は競合との差別化が難しくなる

20代の若者をターゲットにしたフランス料理のメニュー」だけでは、競合とは差別化できません。では、何をもって差別化するかと言えば、「低価格でカジュアルに楽しめておいしい」というコンセプトです。テーマをもとに、自社の強みをどう生かせば競合と差別化できるのかを考えたうえで生まれるのがコンセプトのため、コンセプトがない料理では競合に埋もれてしまうでしょう。

3)コンセプトが決まらないと機能もデザインも定まらない

コンセプトが決まらないと機能やデザインなど、個々で訴求することも定まらなくなるでしょう。「20代の若者をターゲットにしたフランス料理のメニュー」だけでは、素材も調理法もわかりません。「低価格でカジュアルに楽しめておいしい」というコンセプトがあって初めて、「若者が普段から食べているカジュアルな素材とは何か」「おいしい素材をいかに低価格で仕入れるか」そして、「フランス料理の雰囲気を保ちつつ、若者同士でも気軽に立ち寄れる内装とは?」「既存顧客と新規顧客が自然に融合できる雰囲気づくりに必要な調度品とは?」といったように内装デザインも決まっていきます。

4)企業としての方向性も理解しやすくなる

例えば「たくさんの人においしいを届ける」というテーマだけでは、「たくさんの人とは具体的に誰を指すのか」「おいしいとは何料理なのか」がまったく伝わりません。これでは、お客様に対してはもちろん、社員にも何も伝わらないでしょう。

しかし、「20代の若者を中心に低価格でカジュアルに楽しめるおいしいフランス料理」というコンセプトがあれば、「誰をターゲットにしているのか」「どういった料理を提供するのか」が伝わりやすくなります。その結果、社員は何をすればよいかが明確になり、次のステップに進んでいけるのです。

コンセプトの作り方

では、実際にコンセプトを作っていくうえではどういった手順で進めていけばよいのでしょうか。ここでは経理管理システムを開発販売する企業を例に、「ブランドコンセプト」の作り方を例に説明します。

1) ターゲットを設定する

販売する製品が経理管理システムのため、大きなターゲットは企業の経理部・財務部になります。ただし、企業規模により、システムの機能も変わってくるので、「1030人規模の中小企業なのか」「5001,000人規模の大企業なのか」といったことを明確にしなければなりません。ここでは、「中小企業の経理部」をターゲットにすることとして進めていきます。

2) 企業の何を解決する製品なのかを決める

ターゲットとなる企業の経理部を調査し、最も課題となっているのはどういった点なのか、顧客分析を行います。「中小企業の経理部へ向けた経理管理システム」だけでは、誰も興味を持ってはくれないでしょう。「社員の領収書管理」「請求書の作成・印刷・郵送」「ペーパーレス化の遅れ」などのなかで、どの点が最も業務を滞らせている課題なのかを見極めます。ここでは一番の課題は、「ペーパーレス化の遅れ」だとして進めて行きましょう。

顧客分析については、「顧客分析とは?既存顧客との関係性を深め、新規顧客を獲得するための顧客分析手法を解説」で詳しく解説しております。

3) ブランドとしてのメッセージを決める

「多くの中小企業経理部のペーパーレス化を進めるための経理管理システム」。これは、ブランドコンセプトではなく、製品コンセプトです。そのため、この製品をひとつのブランドとして、顧客へ対するメッセージを決める必要があります。

具体的には、この製品を導入すればどういったことが可能になるのか、それを想像できるメッセージでなければなりません。例えば、ペーパーレス化が進めば、経理部のテレワーク導入が実現する可能性が高まります。そこで、「すべての経理部門の社員のワーク・ライフ・バランスを実現」「多様な働き方の実現は経理部門から」などといったコンセプトが考えられます。これがブランドコンセプトです。

このブランドコンセプトが決まれば、システムの独自性はより高くなります。単純にペーパーレス化を実現させるための経理管理システムではなく、どうすれば出社しなくても経理業務ができるかまで考えられたシステムになるからです。それが競合との差別化要因にもつながります。

コンセプトを作る際の注意点

前項でのブランドコンセプトの作り方をもとに、どういった点に注意していけばよいのか、そのポイントを説明します。

1)自社の強み・弱みを明確にする

ブランドコンセプト作りで競合との差別化を図るには、自社の強みと弱みを明確にしておく必要があります。ブランドは自社の独自性を表す大きな要素であり、最も自社の強みをアピールできる点です。逆に言えば、自社の強みをいかにブランドメッセージとして可視化できるかが、ブランドコンセプト作りの重要なポイントとなるでしょう。

2)コンセプトには企業のメッセージを込める

ブランドコンセプトはもちろん、「製品」「デザイン」「サービス」などすべてのコンセプトには、企業が最も伝えたいメッセージを込めるようにします。なぜなら事業コンセプトとブランドコンセプト、製品コンセプトなどに一貫性がないと軸がブレてしまい、顧客に伝えたいメッセージが伝わりにくくなってしまうからです。

例えば、前項で挙げたブランドコンセプト、「多様な働き方の実現は経理部門から」。仮に事業コンセプトが、「経理部門から企業を変えていく」であれば、一貫性のあるメッセージとして伝わりやすくなるでしょう。これがバラバラだと顧客はもちろん、社員も自社の方向性が見えず、何をすればよいのかがわからなくなってしまいます。

一貫したコンセプト作りが企業価値を向上させる

企業は顧客からの信頼が最も重要な価値となります。しかし、「コンセプトが定まっていない」「新製品が出るたびにコンセプトがコロコロ変わる」といった状況では、顧客からの信頼は得られません。

そうした意味で、コンセプトを明確にし、事業・ブランド・製品まで一貫性を持たせることが顧客からの信頼を得て企業価値を向上させるためのポイントだと言えるでしょう。

また、コンセプト作りの基本として、それが顧客の課題解決につながらなければ意味がありません。顧客の課題抜きでコンセプトを作ったとしても、それでは顧客の信頼は得られないと理解したうえで作成をする必要があります。

コンセプトが曖昧でしっかりと決められないといった際は、外部からの視点を得るのもひとつのポイントです。コンセプト作りで悩んでいる際は、ぜひ、お気軽にご相談ください。