メディアリレーションとは?PR効果を高めるメディアリレーションのメリット、構築のポイントを解説
プレスリリース、展示会、記者発表会など、企業は新製品やサービスを発表する際、さまざまな方法を使い、認知拡大を目指します。しかし、ただ漠然と情報発信を行ってもそれを記事にしてもらえる可能性は限りなくゼロに近いといってよいでしょう。そこで重要となるのが、メディアとの信頼関係を構築して、情報を発信した際に興味を持ってもらえるようにすることです。今回は、PRの効果を最大限に発揮させるうえで欠かせないメディアリレーションについて、その効果やメリット、良好なメディアリレーションを生み出すポイントをお伝えします。
まずはPR(パブリックリレーションズ)について詳しく知りたい方は「パブリックリレーションズ(PR)とは?広告との違いや具体的な手法も紹介!」をご一読ください。
メディアリレーションとは?
メディアリレーションとは、テレビ・新聞・雑誌・ラジオ・インターネットなど、さまざまなメディアの記者やディレクターなどと信頼関係を構築していくことを指すものです。
メディアリレーションが重要な理由
企業が広報やPR活動を行ううえで、メディアリレーションは非常に重要な役割を果たします。その最大の理由は、メディアは信頼関係のない企業の情報を好んで発信しようとは考えないからです。
例えば、まったく知らない人から急に知らないものを勧められた場合、それがどれほど良いものだとしても簡単に受け入れようとは思わないでしょう。
もちろん、ほかに情報源がまったくない状況であれば、受け入れる可能性もあるかもしれません。しかし、テレビ・新聞・雑誌・インターネット、そして家族や友人、会社の同僚など、私たちはさまざまな情報入手手段を持っています。そのなかでまったく知らない人からの情報をうのみにする可能性は少ないでしょう。これは、メディアの記者やディレクターであっても同様です。
「A社が発信する情報は信頼性が高い」「A社が発信する情報を記事にすれば読者に喜んでもらえる」。メディアにそう思ってもらえるようになれば、メディア側から積極的に自社の情報を拡散してくれる可能性が高まるでしょう。そうした意味でメディアリレーションは、企業にとって広報、PR以前にメディアと構築しておくべき重要なポイントになります。
メディアリレーションのメリット
メディアリレーションの実現は企業にとってどういったメリットを生み出すのでしょう。具体的には次の点が挙げられます。
▶︎競争優位性を保てるようになる
メディアリレーションが実現すれば、メディアは積極的に自社の情報を記事にしてくれるようになる可能性が高まります。その結果、自社や自社製品・サービスの認知度が高まり、競争優位性が保てるようになるでしょう。
▶︎従業員満足度の向上
自社の情報が頻繁にメディアで扱われるようになれば、企業自体の認知度が高まります。その結果、認知度が高い企業で働いていることが社員にとっての自信やモチベーションにもなり、満足度向上にもつながるでしょう。
▶︎インターナルコミュニケーションの効果が高まる
自社や自社の製品・サービスの情報を社内ではなく、外部で頻繁に目にする機会が増えれば、自然と社内でその話題についてコミュニケーションをする機会も増加するでしょう。その結果、自社の理念や文化も浸透しやすくなり、結果としてインターナルコミュニケーションの効果も高まります。インターナルコミュニケーションについてはこちらで詳しく解説しております。
良好なメディアリレーションを生み出すためのポイント
メディアリレーションの実現がさまざまなメリットにつながることはわかったものの、ではどうすれば、良好なメディアリレーションを生み出せるのでしょう。ここでは、その具体的な方法について解説します。
1)自社が関わる業界の最新情報を把握する
自社が関わる業界の最新情報は常に把握しておく必要があります。「今、どういった情報が記事になるのか」「メディアが記事にしやすい情報とはどういったものなのか」を知ったうえでの情報発信を心がけましょう。そうすることで、メディアは自分たちの記事をしっかりと見てもらっていると感じ、信頼感が増すきっかけにもなります。
2)メディアにとってメリットのある情報発信を行う
自社や自社製品・サービスの情報が記事になれば、自社の認知度が高まり、場合によっては販売増にもつながるメリットがあります。それはメディアも同様で、読者にとって有益な記事を多く掲載すれば、それが読者増につながるメリットがあるのです。
つまり、企業とメディアがWin-Winの関係を構築するには、自社にしかメリットがない情報ではなく、メディアにとってもメリットのある情報でなくてはなりません。
そのためには、それぞれのメディアが発信する情報を求めている読者を、深く知る必要があります。例えば、想定読者に対するアンケート、インタビュー、SNSのチェックなどが効果的です。そのうえで、読者が求めているものに合わせた情報発信が重要でしょう。
3)社会的な価値の高い情報を発信する
基本的にメディアは、社会にとって役立つ有益な情報を記事にして発信することを目的のひとつとしています。そこで、企業からの発信も社会的な価値の高い情報であることが重要です。ただし、企業が発信する情報のすべてに社会性が関わっているわけではないため、社会的価値があるように編集の段階で加工するよう留意すると、メディアに取り上げてもらえる可能性も高まるでしょう。
4)定期的に情報発信を継続する
誰もが知っているような企業ではない限り、定期的に情報発信を継続していかないとなかなかメディアには覚えてもらえません。そのため、できるだけ定期的に情報発信を行い、メディアに対する認知向上を目指す必要があります。
ここでのポイントは、プレスリリースや記者発表だけを頻繁に行うのではなく、「広告」「SNS」「ブログ」「PR記事」など、さまざまな方法で情報発信を行うことです。
プレスリリースだけを続けても、認知度が低ければほとんどの場合、メディアの記者の目には触れないままスルーされてしまうでしょう。しかし、さまざまな場所で情報を目にするようになると、少しずつ記憶に残るようになり、次第に興味を持ってもらえる可能性も高くなります。
もちろん、メディアにとってメリットのある情報であることが前提ですが、名前を覚えられるのは信頼構築の第一歩です。そうした意味で、定期的な情報発信はメディアリレーションにとって非常に重要な手段のひとつと言えます。
5)直接対面できる機会をつくる
メディアリレーションの基本は人と人との信頼関係構築にあります。企業とメディアという関係性はあるものの、最終的には人同士のコミュニケーションが取れなければ信頼を勝ち取れはしないでしょう。そこで、まずは自社と相性が良さそうなメディアの記者を見つけ、できるだけ対面でコミュニケーションを取れる機会をつくります。新製品のお試し会や試食会、メディアとの懇談会など何かしらの企画を立て、直接話ができる環境づくりを行います。
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、対面でのコミュニケーションが難しい時期なのは確かですが、SNSやWeb会議といった形でもかまわないので、とにかく、直接話をする機会をつくることが重要です。
メディアリレーションを成功させるには時間をかけてメディアとコミュニケーションを取っていくこと
日々、数十から百通以上のプレスリリースが届くメディアの記者やディレクターに対し、自社の情報を目にしてもらうのは決して簡単なことではないでしょう。しかし、メディアとの間に信頼関係が構築されていればその限りではありません。メディアの読者にとって有益な情報発信をしてくれるという信頼感から、目を通してもらえる可能性が高まるでしょう。
ただし、メディアリレーションは一朝一夕ででき上がるものではありません。時間をかけ、じっくりと関係性をつくっていく必要があります。
弊社では、「メディアに取り上げられやすいポイントを押さえたプレスリリースの制作」「興味を持ってもらうためのブランドストーリーのコンテンツ制作」「新商品の発売時に最適なメディアを選定した記者発表会のセッティング」など、さまざまなサポートを行います。メディアリレーションの実現にお悩みの際は、ぜひご相談ください。