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コーポレートアイデンティティ(CI)とは?重要な理由や作り方を分かりやすく解説!

コーポレートアイデンティティ(CI)とは?重要な理由や作り方を分かりやすく解説!

「コーポレートアイデンティティ(CI)が重要とよく聞くものの、詳しい意味や具体的な活用方法は知らない」という方も多いかもしれません。コーポレートアイデンティティとは、簡単に言えば、“企業らしさ”を言葉やデザインなどで表現したものです。ブランド戦略を考案する際には必須の概念だからこそ、近年は積極的に活用を進める企業も増えています。

そこで本稿では、「コーポレートアイデンティティの意味」や「コーポレートアイデンティティの重要性」について分かりやすく解説します。また、「コーポレートアイデンティティの作り方」も紹介しますので、実際に考案する際の参考にしてみてください。

コーポレートアイデンティティ(CI)とは?

コーポレートアイデンティティ(Corporate Identity/略称:CI)とは、企業が唯一無二の存在であることを証明するための「個性」や「独自性」のことです。コーポレートアイデンティティは、考え方・見た目・行動の3つで形成され、総合的に企業らしさが醸成されます。コーポレートアイデンティティが明確になっていれば、他社とは違う存在であることを社会に示し、多くの人から企業としての価値や信頼性を認識されやすくなるのです。

コーポレートアイデンティティ(CI)の“3つ”の要素とは?

コーポレートアイデンティティを形成するのは、具体的にどのような要素なのでしょうか。
ここでは、コーポレートアイデンティティを形づくる3つの要素について解説します。

(1)マインドアイデンティティ(MI)

1つ目は、精神や考え方の独自性を意味する「マインドアイデンティティ(Mind Identity/略称:MI)」です。マインドアイデンティティは、「企業が社会にどのような価値を提供したいのか」「何を大切にして事業を運営しているのか」という“気持ちのあり方”を示しています。具体的には、企業理念やクレド、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)、スローガン、タグラインなどのことを指し、企業が経営を行う際の中核となるものです。

MVVについて詳しく知りたい方は、「ミッション・ビジョン・バリューとは?必要な理由や作り方のポイントを解説!」の記事も合わせてお読みください。

(2)ビジュアルアイデンティティ(VI)

2つ目は、見た目の独自性を意味する「ビジュアルアイデンティティ(Visual Identity/略称:VI)」です。ビジュアルアイデンティティは、企業の想いや価値観を、デザインに込めたものとも言えます。具体的には、ロゴやコーポレートカラー、店舗・制服のデザイン、商品パッケージ、自社Webサイトのデザインなどが挙げられるでしょう。多くの人の目に留まりやすい視覚要素だからこそ、企業イメージの形成に重要な役割を果たします。

(3)ビヘイビアアイデンティティ(BI)

3つ目は、行動の独自性を意味する「ビヘイビアアイデンティティ(Behavior Identity/略称:BI)」です。ビヘイビアアイデンティティは、企業の行動規範を、日々の仕事やサービスで示したものとも言えるでしょう。具体的には、業務の進め方や顧客との向き合い方、接客スタイル、サービスの品質などが代表例です。社員が企業理念やMVVに基づき一貫した行動を取っていれば、社外の人たちからも企業らしさを認識されやすくなります。

コーポレートアイデンティティ(CI)が重要な理由とは?

そもそも、なぜコーポレートアイデンティティを明確に定めておく必要があるのでしょうか。
ここでは、コーポレートアイデンティティが重要な理由について解説します。

(1)社内に一体感を醸成できるから

コーポレートアイデンティティを定めることで、企業として大切にすべき価値観や行動規範が明確になります。その結果、社員全員が共通の目的に向かって、日々の業務に取り組めるようになるでしょう。社内に一体感が醸成されることで、業務の生産性が上がったり、サービスの品質が向上したりとポジティブな効果も期待できます。

(2)対外的なイメージ向上を図れるから

コーポレートアイデンティティを明確にすると、社外の人たちから企業に対する共通のイメージを獲得できるようになります。例えば、「社員の行動に一貫性がある」「サービスの品質にこだわりを感じる」という信頼感も形成できるでしょう。結果的に売り上げが伸びたり、資金調達や事業提携の機会が生まれたりという効果も見込めます。

(3)経営に一貫性が生まれるから

コーポレートアイデンティティは、企業がこの先何十年と経営を続けていくうえで、不変の個性になるものです。たとえ時代が大きく変化しても、大切にすべき価値観やオリジナリティが定まっていれば、経営の方向性が揺らぐ心配もありません。経営に一貫性が生まれることで、企業としての長期的な繁栄にもつながりやすくなります。

コーポレートアイデンティティ(CI)の作り方とは?

コーポレートアイデンティティは、具体的にどのような流れで作ればよいのでしょうか。
ここでは、コーポレートアイデンティティの作り方について6つのステップで解説します。

(1)自社の経営方針を把握する

まずはコーポレートアイデンティティを形成するための、“自社らしさ”について多角的な方向から検討しましょう。そのひとつが、中・長期的な経営方針です。具体的には、「将来企業として社会にどう貢献したいのか」「どのくらいの規模まで事業を成長させたいのか」などを振り返ります。経営方針・経営戦略には企業としてのスタンスが大いに反映されているため、コーポレートアイデンティティの方向性を決める重要な要素となるのです。

(2)社員に自社らしさをヒアリングする

自社らしさを知るために、現場の社員にヒアリングすることも大切です。例えば、「どのような瞬間に自社の風土を体感したか」「自社らしさを実感したエピソードはあるか」など率直な声を聞き出します。この際、匿名の社員アンケートや1on1ミーティングといった場を設けて意見を集めると、本音を引き出しやすくなるでしょう。また、現場を積極的に巻き込むことで、社員にコーポレートアイデンティティを自分事化させることも可能です。

社員アンケートについて詳しく知りたい方は、「なぜ社員アンケートが必要なのか?企業経営に生かせるアンケートの手順とポイント」の記事も合わせてお読みください。

(3)マインドアイデンティティを考案する

コーポレートアイデンティティを形成する3つの要素のうち、まずはマインドアイデンティティの考案から始めましょう。マインドアイデンティティは企業の根幹となる精神や考え方なので、その他2つの要素にも影響を与えます。そのため、ミッション・ビジョン・バリューをはじめマインドアイデンティティの制定からスタートすることが大切です。自社らしさや経営戦略を踏まえ、社会との向き合い方が分かるメッセージを検討しましょう。

ビジョンの作り方について詳しく知りたい方は、「ビジョンの作り方とは?“5つ”のステップで分かりやすく解説!」の記事も合わせてお読みください。

(4)ビジュアルアイデンティティを考案する

続いては、ビジュアルアイデンティティを考案します。具体的には、ロゴのデザインやブランドカラー、指定書体(共通して使用するフォント)、ロゴの使用に関するレギュレーション・ガイドラインなどを決めましょう。「社会からどのような印象を持たれたいのか」を考え、色みや形状を考えることが大切です。デザインに関しては専門的な視点も必要になるため、印刷会社や広告制作会社といった外部企業に協力を依頼するのも有効でしょう。

(5)ビヘイビアアイデンティティを形成させる(インナーブランディング)

ビヘイビアアイデンティティに関しては、社員の日々の業務や接客、サービスなどから自然とにじみ出てくるものです。つまり、マインドアイデンティティを社員が中・長期的に徹底した先に、企業としてのビヘイビアアイデンティティが形成されていきます。そのため、ビヘイビアアイデンティティを形づくるには、インナーブランディングによって社員にMVVや企業理念を深く理解させ、体現させることが重要です。具体的には、社内報や理念浸透研修などの施策を実施することで、社内に共通のビヘイビアアイデンティティが根付いていくでしょう。

インナーブランディングについての概要は、「インナーブランディングとは?実践の重要性とメリット、成果を上げるためのポイントを解説」をご一読ください。

※インナーブランディングの具体的な施策については、「社員のエンゲージメントが低いのは「社内コミュニケーション不足」が原因?~今こそ取り組むべきインナーブランディングの必須施策~」で解説しています。無料でダウンロードが可能ですので、お気軽にご活用ください。

(6)アウターブランディングを実施する

コーポレートアイデンティティを定めたあとは、社外に向けて広報することも大切です。特にビジュアルアイデンティティは、多くの人に見てもらって初めて効果が発揮されます。具体的には、企業Webサイトのリニューアルやプレスリリースの発行、SNSでの告知、周年記念イベントの開催などの手法が挙げられるでしょう。こうしたアウターブランディングで知名度を高めることで、世の中から共通したイメージを獲得しやすくなります。

まとめ

コーポレートアイデンティティを考案する際には、それを広く浸透させるための取り組みもセットで考えることが大切です。特にインナーブランディングに積極的に取り組むことで、従業員の意欲やエンゲージメントを向上させ、より高い成果につなげられるでしょう。こうした施策にはノウハウが必要なため、社外の専門家に協力を依頼することも有効な戦略です。

当社は、創業100年以上にわたって印刷ビジネスで培ったブランディング・マーケティングのノウハウを生かし、さまざまな企業のインナーブランディングを支援しています。ブランドアイデンティティの考案から社内報やブランドブック、社内研修といった各種インナーブランディングの企画・実施まで一貫して支援することが可能です。コーポレートアイデンティティの考案を検討する際には、ぜひお気軽に当社までご相談ください。