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ミッション・ビジョン・バリューとは?必要な理由や作り方のポイントを解説!

ミッション・ビジョン・バリューとは?必要な理由や作り方のポイントを解説!

「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を明文化し、組織に一体感を生み出したい」と考える企業は多いかもしれません。ミッション・ビジョン・バリューは企業の「旗印」ともいえるもので、迷ったときに立ち返る指針として重要な機能を果たします。一方で、「そもそもミッション・ビジョン・バリューは必要なのだろうか」「企業理念と何が違うのか」といった疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。

そこで本稿では、ミッション・ビジョン・バリューの定義や必要性についてわかりやすく解説します。また、ミッション・ビジョン・バリューの作り方も紹介しますので、ぜひ自社で考案する際の参考にしてみてください。

そもそもミッション・ビジョン・バリューとは?

「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」は、マネジメントの祖であるピーター・ドラッカー氏によって提唱された概念です。本章では、ミッション・ビジョン・バリューそれぞれの意味について解説します。

(1)ミッション

ミッションとは、企業として果たすべき使命のことをいいます。具体的には、「事業を通じて社会のどんな課題を解決したいのか」「サービスによって人々にどんな便利・快適をもたらしたいのか」を言語化したものです。ミッションは「仕事の意義」を明確にした内容でもあるので、社員一人ひとりの日々のやりがいに直結します。

(2)ビジョン

ビジョンとは、企業として目指すべき将来像のことをいいます。具体的には、「自社が日々のミッションを果たし続けると、将来社会にどのような良い変化を起こせるのか」を言語化した内容ともいえるでしょう。ビジョンが明確になっていれば、社員がより長期的な視野を持てるようになり、モチベーションを維持しやすくなります。

ビジョンについては「ビジョンの作り方とは?“5つ”のステップで分かりやすく解説!」で詳しく解説しています。

(3)バリュー

バリューとは、企業の構成員として大切にすべき価値観のことをいいます。つまり、「ミッションを果たすために必要となる考え方やマインド」とも言い換えられるでしょう。バリューは全社員にとって、共通の行動指針にもなります。そのため、バリューが明確なほど組織に一体感が生まれ、チームワークを高めることが可能です。

ミッション・ビジョン・バリューと企業理念は別物?

ミッション・ビジョン・バリューと似た概念に、「企業理念」があります。

企業理念とは、企業として社会に提供すべき価値や経営の方向性を示したものです。つまり、「企業が何のために存在しているのか」を言語化したものともいえるでしょう。実は、ミッション・ビジョン・バリューと企業理念の捉え方は、企業によっても異なります。両者を同義として扱っている企業もあれば、企業理念をミッション・ビジョン・バリューの上位概念として捉えて別々に策定している企業もあります。そのため、自社内で「ミッション・ビジョン・バリュー」と「企業理念」のそれぞれの役割を独自に定義し、使い分ける姿勢が重要でしょう。

ミッション・ビジョン・バリューはなぜ必要なのか?

ミッション・ビジョン・バリューは、なぜ企業にとって必要なのでしょうか。
その理由を大きく3つに分けて紹介します。

(1)業績への好影響が期待できるため

ミッション・ビジョン・バリューが浸透し、社員が自社の方向性に共感していれば、全員がひとつの目標に向かってモチベーションを高められるようになります。アイデアが生まれやすい土壌が形成されたり、組織全体の生産性が向上したりという好影響も期待できるでしょう。その結果、業績の大幅な伸びにつながる可能性も高まります。

(2)対外的なブランディングにつながるため

ミッション・ビジョン・バリューは、ブランドとしての姿勢を顧客に示すものでもあります。自社のミッション・ビジョン・バリューが顧客から認知され、共感されれば、「信頼性の高い企業だ」というイメージも醸成されるでしょう。その結果、対外的なブランディングにもつながり、よりコアなファンを増やしていくことも可能です。

(3)採用上のミスマッチを防止できるため

ミッション・ビジョン・バリューは、求職者に対して自社の考え方を示す役割もあります。採用ホームページや求人広告でミッション・ビジョン・バリューを紹介しておけば、自社の考え方に共感して応募する人も増えるはずです。結果として自社の風土に合う人材を採用しやすくなり、入社後の定着率も高められます。

ミッション・ビジョン・バリューの作り方とは?

ミッション・ビジョン・バリューを作る際には、どのような流れで進めればよいのでしょうか。
ここでは、ミッション・ビジョン・バリューの作り方について、4つのプロセスに分けて解説します。

(1)目的を確認する

まずはプロジェクトメンバーで集まり、ミッション・ビジョン・バリューを策定する目的を明らかにすることが大切です。例えば、「社内に一体感を醸成したい」「顧客からの信頼性を高めたい」などの目的が挙げられます。ミッション・ビジョン・バリューの役割を明確にしておくことで、より機能しやすい文言を考案できるでしょう。

(2)自社の企業文化について考察する

ミッション・ビジョン・バリューをいきなり言語化する前に、自社の企業文化について内省してみることも重要です。具体的には、「今までの業務で企業文化を感じたできごと」「顧客からもらった自社社員に対する意見」などを振り返ります。また、経営者に直接インタビューして、経営にかける想いをヒアリングすることも有効です。企業文化を念頭に置くことで、より自社らしさのあふれるミッション・ビジョン・バリューを考案できます。企業文化について詳しくは、「企業文化はなぜ重要なのか?企業文化を変革する“7つ”の方法を紹介!」もご一読ください。

(3)ミッション・ビジョン・バリューを言語化する

目的と企業文化を踏まえて、ミッション・ビジョン・バリューを言語化していきます。考案する順番としては、「ミッション(日々の業務における使命)」→「ビジョン(日々の使命を果たした先にある未来像)」→「バリュー(未来像を成し遂げるために必要な行動基準)」の流れが妥当です。各メッセージを考案する際には、以下のような問いをプロジェクトメンバー同士で投げかけながら、言語化を進めていくとスムーズでしょう。

◆ミッション:「サービスを通じて顧客に提供したい価値は何か」「解決したい社会の課題・不満は何か」
◆ビジョン:「企業として20~30年後にどうなっていたいか」「将来の世の中はどんな状態であってほしいか」
◆バリュー:「日々の業務で意識すべき行動や心がけはあるか」「自社の社員らしい考え方はどのようなものか」

言語化の工程は非常に重要です。できるだけ時間をかけて議論を重ね、納得性の高い内容にしましょう。

(4)社内・社外へ共有する

ミッション・ビジョン・バリューを策定したら、社内外へ公表することも不可欠です。社内への公表は、例えば期初や創設記念日などのタイミングで、全社集会や社内報を通じて発表します。社外への公表は、ホームページの「企業理念」や「ニュースリリース」ページを更新して行うのもひとつの方法でしょう。ミッション・ビジョン・バリューをより大々的に共有することで、社員の意識改革や、メッセージの浸透につながります。社内報について詳しくは、「社内報とは?メリットや効果、企画のポイントを解説」もあわせてご一読ください。

ミッション・ビジョン・バリューを作る際のポイントとは?

ミッション・ビジョン・バリューを作る際には、どのような点を意識すればよいのでしょうか。
ここでは、より納得性の高いミッション・ビジョン・バリューを作るためのポイントについて解説します。

(1)社員を巻き込みながら考える

ミッション・ビジョン・バリューを策定する際は、経営層だけで考えるのではなく、できるだけ社員を巻き込むことがポイントです。例えば、企業文化や組織課題について社員アンケートを実施したり、幅広い部署の社員をプロジェクトメンバーに加えたりという方法が挙げられます。社員アンケートについては、「なぜ社員アンケートが必要なのか?企業経営に生かせるアンケートの手順とポイント」で解説しています。

ミッション・ビジョン・バリューは、一見すると社員からは遠い存在です。しかし、策定前の段階で巻き込むことで、社員に当事者意識を持たせることができます。策定後もメッセージが浸透しやすくなるでしょう。

(2)自社ならではのメッセージを考える

ミッション・ビジョン・バリューを考案する際は、「自社らしさ」が表現できているかを常に意識することも大切です。どの会社にでも当てはまりそうなメッセージでは、社員や顧客の心に響かず、期待したような効果を得られません。競合他社と比べた自社サービスの強みや、経営戦略、企業文化といった自社のDNAを踏まえて、「自社にしか言えない」言葉をつむぎ出すのです。自社ならではの、メッセージ性の強い内容につくりあげましょう。

(3)インターナルコミュニケーションを促進する

ミッション・ビジョン・バリューは、策定したら終わりではありません。その後も施策(インターナルコミュニケーション)を講じて、社内へ浸透を図る必要があります。例えば、経営層と社員がじかに意見を交換できる「タウンホールミーティング」、経営理念やMVVの理解促進を目的とした「社内研修」、企業としての価値観をまとめた「ブランドブック」が挙げられます。インターナルコミュニケーションに注力することで、より社員がメッセージを「自分ごと化」しやすくなるでしょう。社内コミュニケーションの施策について詳しくは、「社内コミュニケーションの重要性とコミュニケーション活性化を実現させるポイント」をご一読ください。

まとめ

ミッション・ビジョン・バリューは自社の方向性を示す重要なメッセージです。だからこそ、多くの社員を巻き込みながら、じっくりと時間をかけて策定することをおすすめします。また、ミッション・ビジョン・バリューは「作って終わり」では社員からの共感を得られず、思うように現場に浸透しない可能性もあります。そのため、インターナルコミュニケーションの施策を通じて社内コミュニケーションを活性化し、浸透を図ることが重要でしょう。

当社では、ミッション・ビジョン・バリューの策定から社内報の制作、ワークショップの開催まで幅広くンターナルコミュニケーション施策を支援しています。ミッション・ビジョン・バリューの策定や浸透をご検討の際には、お気軽に当社までお問い合わせください。