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ブランド構築とは?見込める効果や方法・プロセスを分かりやすく解説!

ブランド構築とは?見込める効果や方法・プロセスを分かりやすく解説!

ブランド構築に着手したいものの、「具体的な方法やプロセスが分からない」という方も多いのではないでしょうか。ブランド構築の際は、単に企業ロゴを変えたり、広告を出稿したりするだけでは成果につながりにくいのが実態です。「自社のブランド価値は何なのか」「ブランドがとるべきポジショニングはどこなのか」といった根底の部分から明確にし、正しい手順でブランドを構築していく必要があります。

そこで今回は、ブランド構築の意味や効果、方法・プロセスについて分かりやすく解説します。ブランド価値を大きく向上させるために、本稿が一助となれば幸いです。

そもそもブランド構築とは?

そもそもブランドとは、顧客が商品や企業に対して抱く「共通したイメージ」のことです。例えば、「おしゃれなインテリアと言えば○○」「おいしいフレンチを食べるなら○○」などが挙げられます。このようにブランドが構築されているということは、他社との差別化を十分図れており、商品に対する顧客からの信頼感を獲得できている状態です。その結果「指名買い」されやすくなり、安定した収益基盤を築けるようになります。このようにブランド構築とは、世間から共通のイメージを獲得し、市場で独自のポジションを築く活動と言えるでしょう。

ブランド構築の主な効果とは?

ブランド構築をすることで、企業にとってどのような利点があるのでしょうか。
ここでは、ブランド構築によって見込める主な効果について解説します。

(1)価格競争に巻き込まれなくなる

近年はさまざまな市場が飽和し、類似商品があふれています。企業としては、商品の品質や性能だけで差別化を図るのが難しくなっているのが現状です。こうした「コモディティ化」が起きると、商品の価格競争に陥り、各社の利益が減少していくという事態になりかねません。その点、商品のブランドを構築することで、顧客から「たとえ値段が高くても、確かな価値があるから買いたい」と認識されるようになります。その結果、価格競争に巻き込まれることなくリピート顧客を獲得することができ、長期的な売り上げを確保できるようになるでしょう。

(2)新しい事業・市場に参入しやすくなる

ブランドを構築できている企業は、世の中からの信頼感や愛着を得ている状態です。そのため、新しい市場に参入する際にも、顧客から「あの企業の商品なら買ってみよう」と思ってもらいやすくなるでしょう。その結果、ブランド構築のできていない企業と比べると、新規事業の成功率も格段に高めやすくなります。また、成功を見込める事業であれば銀行から融資も受けやすくなるため、より盤石な体制のもと事業を始めることが可能です。

(3)優秀な人材の確保につながる

ブランドが構築されている企業は、求職者からの認知度も高く、就職活動で人気の企業になりやすいという強みがあります。そのため、優秀な人材の獲得につなげやすく、人手不足に悩まされる心配も軽減できるでしょう。また、「自分もブランドに携わりたい」「このブランドを体現したい」と思って入社した人材は、会社への貢献意欲も強いのが特徴です。そのため、入社後の活躍にもつながりやすく、社内の活性化という効果も見込めます。

ブランド構築で重視すべき「3つ」の価値とは?

ブランドを構築できている商品というのは、顧客から「機能的価値」「情緒的価値」「自己表現的価値」という3つの価値が認知されている状態です。ブランド構築の際には、3つの価値を提供できるよう意識することで、より世の中に浸透しやすい強固なブランドになるでしょう。本章では、3つの価値それぞれの意味を紹介します。

(1)機能的価値

機能的価値とは、商品の性能や品質に基づく、実利的な価値のことを言います。例えば、飲食店であれば「料理がおいしい」「すぐ料理が出てくる」「メニューの数が多い」などが挙げられるでしょう。また、自動車であれば「燃費が良い」「ボディが頑丈」「エンジン音が小さい」などが機能的価値です。こうした機能的価値を提供できる商品であれば、顧客に購買してもらえる機会も増えます。ただし、近年は技術革新によって性能の同じような商品が次々に開発される時代です。そのため、機能的価値だけでは、強いブランドを構築するのが難しいのも実情でしょう。

(2)情緒的価値

情緒的価値とは、商品を使うことによって得られる感情的な満足のことを言います。例えば、喫茶店であれば「時間を忘れてゆったりとくつろげる」「おしゃれな気分に浸れる」などが情緒的価値です。文房具であれば「使っていると知的に見える」「勉強に対するやる気が湧く」なども情緒的価値でしょう。情緒的価値を高めるには、デザインを洗練させたり、商品に込められた想いやストーリーを発信したりといった複合的な工夫が必要です。顧客から情緒的価値が認められれば、商品との感情的な結び付きが強くなり、より強固なブランドになります。

(3)自己表現的価値

自己表現的価値とは、商品を使うことによって、使用者が自身のアイデンティティを体現できることを言います。つまり、顧客自身の哲学や生き様と、商品の持つイメージや物語が強固に結び付いて生まれる価値のことです。

例えば、アパレル商品なら「この服を着ていると自分らしくいられる」、自動車なら「この車に乗っているときの自分が好き」といった状態を指します。このように自己表現的価値を提供できるブランドは、使用者と切っても切れない絆を構築することが可能です。そのため、コアなファンを獲得でき、市場での地位を確固たるものにできます。自己表現的価値を提供するには、顧客から強い信頼と共感を得なければいけません。そのため、顧客の心理や時代の雰囲気を入念に研究し、機能やデザイン、背後のストーリーまでこだわる必要があるでしょう。

ブランド構築の方法・プロセスとは?

ブランド構築をする際には、どのような方法で進めればよいのでしょうか。
ここでは、ブランド構築の方法・プロセスを7つのステップで解説します。

(1)ブランド構築の重要性を社内で共有する

強固なブランドを構築するためには、社員の協力が欠かせません。例えば、営業部とマーケティング部でブランディングに対する熱量が異なっていたら、スムーズにブランドは構築できないでしょう。そのため、まずは社内で「ブランドの意味」や「ブランディングの重要性」について認識をすり合わせておくことが出発点です。社内にブランド構築に向けて連携できる体制や風土が整っていれば、全社一丸となってより高い成果を目指せます。

(2)世の中の状況を分析する

ブランドの目指すべき方向性は、世の中の状況によって異なります。例えば、経済のデフレ化が進む状況下で、消費の実態とかけ離れた高級路線を打ち出すと、商品を手に取ってもらえない可能性が高くなります。また、競合他社と同じようなブランドメッセージを発信しても、独自性が生まれません。そのため、経済や政治、市場の動向、競合他社のブランドといった「外部環境」を分析し、自社のポジショニングを明確にしておくようにしましょう。

(3)ターゲットに提供できる価値を明確にする

続いては、自社のブランドに愛着を持ってくれるであろう「ターゲット像」を決めます。年齢や性別、生活スタイルなどのペルソナまで想像しておくと、ブランドで伝えるべきメッセージも考えやすくなるでしょう。また、ターゲットに対して提供できるブランド価値(機能的価値・情緒的価値・自己表現的価値)も明らかにすることが大切です。自社の強みを生かして提供できる価値であれば、競合他社との差別化にもつなげやすいでしょう。

(4)ブランドの方向性を定める

外部環境や自社のポジショニング、ターゲットの心理などを踏まえてブランドの方向性を決めましょう。ブランドの方向性を端的に示すものとして、ブランドの名称、メッセージ(タグライン・コピー)、ロゴ、カラーなどがあります。これらの内容を決めることで、世間にブランドイメージを浸透させやすくなるでしょう。その際、ブランドの方向性が企業理念やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)と相違ないかどうかも確認しておくことが大切です。企業と商品のメッセージが一致することで、企業自体のイメージアップにもつなげられます。

※MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)について詳しく知りたい方は、『ミッション・ビジョン・バリューとは?必要な理由や作り方のポイントを解説!』の記事もあわせてお読みください。

(5)インナーブランディングに取り組む

ブランドイメージは、社員の行動や接客態度からも形成されます。そのため、まずは社内へのブランディング(インナーブランディング)に取り組み、ブランドの方向性を社員に認知させることが先決です。インナーブランディングの例として、社内報や社内研修、ブランドブックなどの手法があります。社員一人ひとりに自社ブランドの価値を理解させることで、サービスの品質を統一でき、確固たるブランドイメージの構築につながるでしょう。

※インナーブランディングについて詳しく知りたい方は、『インナーブランディングとは?実践の重要性とメリット、成果を上げるためのポイントを解説』の記事もあわせてお読みください。

(6)顧客・社会とのタッチポイントを選ぶ

インナーブランディングと並行して、外部へのブランディング(アウターブランディング)にも取り組みます。その際、ターゲットにメッセージが届きやすいようなタッチポイント(接点)を選ぶことが大切です。例えば、若年層にブランドを認知させたい場合には、マス広告よりSNSやWeb広告、動画広告の方が効果を見込めるケースもあります。ターゲットの生活動線をよくイメージしたうえで、親和性の高い媒体を選ぶことが重要です。

※アウターブランディングの具体的な手法について詳しく知りたい方は、『ブランディングの手法とは?マス広告からWebまで効果的な“8つ”の施策を紹介!』の記事もあわせてお読みください。

(7)目標を設定し、効果を測定する

ブランド構築の効果は、一朝一夕で表れるものではありません。そのため、中長期的な目標を設定したうえで、定期的に効果を振り返ることが不可欠です。ブランディングの効果を測定する際は、ブランド認知度に関するアンケート調査をしたり、ブランドターゲットに面談形式でインタビュー調査(デプスインタビュー)をしたりといった方法があります。また、検索エンジンやSNS媒体で自社のブランド名を検索し、記事や投稿の増減をチェックするのもひとつの手法です。結果を踏まえて施策を改善することで、よりブランド構築の成果も高まります。

※ブランド構築の効果測定について詳しく知りたい方は、『企業ブランディングの効果と測定方法のポイントを解説』の記事もあわせてお読みください。

まとめ

ブランド構築の際には、まずブランドの価値やメッセージを明確にしたうえで、世の中への発信方法を考えることが大切です。その際、ブランディングの専門企業からアドバイスを受けながら、世の中の動向・消費者のインサイトを細かく分析しておくことをおすすめします。自社の正しいポジショニングを知ることで、ブランド構築もよりスムーズになるでしょう。

当社では、創業から100年以上にわたって培ったノウハウを生かして、企業のブランドマーケティングを支援しています。最上流のブランドメッセージ考案から、ブランドブックや社内報、各種広告の企画・制作まで一貫してサポートが可能です。ブランド構築を検討の際には、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。