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インナーブランディングとは?実践の重要性とメリット、成果を上げるためのポイントを解説

インナーブランディングとは?実践の重要性とメリット、成果を上げるためのポイントを解説

企業でブランディングというと、取引先や消費者など社外に向かって行うものといったイメージが強いのではないでしょうか? しかし、インナーブランディングは社内に向かって行うブランディングです。なぜ、社員に向けたブランディングが必要なのか、今回はインナーブランディングの概要と重要性、活用によって得られるメリットや成果を上げるための手法についてお伝えします。

※インナーブランディングの実施方法や実施事例は以下のお役立ち資料でも解説しています。無料でダウンロードが可能ですので、ぜひご活用ください。

お役立ち資料:社員のエンゲージメントが低いのは、「社内コミュニケーション不足」が原因?~ 今こそ取り組むべきインナーブランディングの必須施策~ 

インナーブランディングの概要と重要性

インナーブランディングとは、自社の社員に対して行うもので、企業ブランドの価値や理念、ミッションなどを正しく理解してもらうための施策のひとつです。

インナーブランディングが重要視される理由

社外に対して自社の価値やブランドを伝えることが重要であるのは当然ですが、なぜ、社内に対して同じように自社の価値やブランドを伝える必要があるのでしょう。その理由としては、次のような点が挙げられます。

1)自社への愛着を高める

株式会社マイナビが2020年4月に発表した「マイナビ転職動向調査2020年版」によると、「転職は前向きな行動である」との回答が半数を超える68.3%でした。調査を始めて以来最多の数字です。また、実際に転職を行った人の比率は7.0%(2019年)で、2016年の3.7%のほぼ倍に近くなっています。

社員側から見れば、自身がキャリアアップしていく手段のひとつとして転職を前向きに考えるのは決して間違いではないでしょう。しかし、企業側から見れば転職者の増加はそのまま人手不足につながってしまいます。これを避ける方法のひとつがインナーブランディングです。自社の価値、ブランドを深く理解させ、愛着を感じてもらえれば、自社でキャリアアップをしていきたいと考える可能性が高まります。

2)自社への帰属意識を高める

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、テレワークの導入を進める企業が増えています。テレワークの効果は感染対策だけではありません。育児や介護で退職せざるを得なくなった社員が継続して働くための手段としても大きな効果を発揮します。

しかし、常にオフィスで働くのに比べ、自宅やサテライトオフィスでの勤務は、ときとして自社に対する帰属意識の低下につながるリスクもゼロではありません。そこで、どこで働いていても自社が進むべき道を全社員が共有できるようにするインナーブランディングが必要とされるようになっているのです。

インナーブランディングの実践により得られるメリット

企業にとってインナーブランディングの実践がいかに重要かについて説明しましたが、実践することで得られるメリットはほかにもいくつか考えられます。そのなかでも主なものは次のとおりです。

1)企業というチームの結束力強化につながる

どんなに優秀な社員がそろっていても、それぞれが違う方向を見ていれば企業としての方向性はバラバラとなり、成果を上げるのは困難です。

そこで、インナーブランディングにより、企業理念や企業が目指すゴールが共有されれば、チームとしての結束力が生まれやすくなります。その結果、社員が一丸となってゴールへと進めるようになり、成果が上がる可能性も高まるでしょう。

2)社外へ向けたブランディングの成功につながる

社員一人ひとりが自社の価値、ブランドを深く理解するようになれば、その分、取引先や協力会社、株主そして消費者に対する発信力も高まります。その結果、ブランドメッセージも伝わりやすくなり、社外へ向けたブランディングでも成果を上げやすくなるでしょう。

3)優秀な人材の獲得につながる

社員一人ひとりが自社のブランドへ愛着を持てるようになれば、それが社外へも伝わりやすくなります。それはそのまま就活生に対しても効果を発揮するでしょう。自社に対する愛着を持つ社員が多い企業はそれだけ魅力的な企業であると判断され、優秀な社員が集まりやすくなります。その結果、人材不足の解消や採用コスト低減にもつながるのも大きなメリットです。

インナーブランディングの具体的な進め方

では、実際にインナーブランディングを実践していくためにはどうすればよいのか、その具体的な手順を紹介します。

1)自社の理念やミッションの浸透度を検証する

まずやるべきは、現時点で自社の理念やミッションがどの程度、社員に浸透しているかの検証です。アンケートや面談により、社員一人ひとりに確認していき、現状を把握します。

その結果を見て、どの程度まで社員に浸透しているのかを見定めます。

2)自社の理念やミッションの再検討

社員に伝えるべき自社の理念やミッションを再確認します。また、これまでどうやって社員に対して伝えてきたかの確認も重要です。「伝えるべきメッセージが明確ではなく曖昧ではなかったか」「伝え方が間違えていなかったか」「そもそもメッセージに問題があるのではないか」などを確認します。

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3)最適な手段を使ってインナーブランディングを実施する

社員に伝えるべき明確なメッセージを決めたら、インナーブランディングを実施していきます。具体的な実施のポイントは後述しますが、自社にとってどういった方法で伝えるのが最適かをしっかりと検討したうえで、実施していきましょう。

インナーブランディングで成果を上げるためのポイント

前項でインナーブランディングを実施するための手順を紹介しました。どの項目も重要ではありますが、そのなかでも重要となるのが、どういった手法で社員にメッセージを伝えていくかです。そこで、ここではインナーブランディングを成功させるうえで重要となる伝え方のポイントを見ていきます。

1)社内報の配布

社内報は企業からのメッセージを伝えられる手段として非常に効果的です。経営者のメッセージ、自社の価値、理念などをテキストや画像を使い、適切に伝えられます。また、最近ではWebを活用した社内報も増えていて、テキスト、画像のほかに動画や音声を使い、より深くメッセージを浸透させていけるようになっています。

また、社内報は定期的に発行するため、メッセージを伝える人間の人となりを伝えやすくなるのもおすすめな点のひとつです。インタビューやコラムなどを使い、経営者自身を伝えるようにすれば、メッセージもより伝わりやすくなります。

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2)ワークショップの実施

社内報に加え、ワークショップを開催して、直接企業からのメッセージを伝えるのもおすすめです。ワークショップを行う際は、自社のミッション、価値、コンセプトなどをまとめたブランドブックを使えば、理解を深めるのに役立ちます。

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3)周年記念の開催

周年記念はワークショップに比べ、一度に大勢の社員に向けたメッセージの発信が可能です。また、周年記念というイベントの性質上、自社の歴史についても触れやすく、インナーブランディングに最適なイベントと言えます。

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4)クレドカードの作成

企業理念や行動指針をコンパクトにまとめたクレドカードもインナーブランディングには欠かせないアイテムです。オフィスの机に置いたり、社員証と一緒に持ち歩いたりと常に携帯できるため、浸透しやすくなるメリットがあります。

インナーブランディングの成功が企業ブランディングの成功につながる

従来、企業の業績を上げるには、社外に向けた情報発信が重要であると考えられていました。もちろん、それは今でも重要なポイントのひとつではありますが、それ以上に重要視されつつあるのが社内に向けた情報発信です。

企業として成果を上げ、取引先や消費者の満足度を上げるには、まず、社員の満足度を上げることが欠かせません。それを実現する方法のひとつがインナーブランディングです。

ただ、急にインナーブランディングを始めるといってもさまざまな方法が考えられるため、外部に依頼して協力しながら行う方が、効率的に進められます。インナーブランディングを検討する際は、外部への依頼も選択肢に入れたうえで進めることをおすすめします。

当社では、ビジョンやバリューの明文化などのインナーブランディングだけでなく、ブランドマーケティング支援まで一貫して対応が可能です。ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。