ブログ

プロモーション戦略の重要性と戦略立案のポイントを解説

プロモーション戦略の重要性と戦略立案のポイントを解説

どれほど質の高い製品・サービスであったとしても、顧客に認知されていなければ、手に取って見てもらうことさえ困難です。企業として利益を上げるためには、製品・サービスの質向上だけでなく、顧客に認知してもらうことが重要なポイントとなります。そこで、考えなくてはならないのがプロモーション戦略です。今回は、プロモーション戦略の概要、重要性を見つつ、実際に戦略立案をするうえで必要となるポイントについてお伝えします。

プロモーション戦略とは?

プロモーションとは、企業が行うマーケティング活動のひとつです。「広告宣伝」「PR」「セールスプロモーション」「人的販売」などを用い、顧客に自社の製品・サービスを認知してもらいます。そして、その手法のなかから自社にとって最適なものを選択し、実践していくための方法を考えるのが、プロモーション戦略です。では、具体的にプロモーション戦略の種類と方法について説明します。

▶︎プロモーション戦略の種類

プロモーション戦略は、プッシュ型とプル型の大きく2つの種類に分けられます。プッシュ型とは、企業側から顧客に対して認知活動を行っていくものです。営業社員が企業に訪問したり、電話を使ってアポイントメントを取ったりする営業活動がプッシュ型の代表的な例と言えます。

これに対し、プル型はインターネットや広告宣伝などにより、顧客に有益な情報を発信し、顧客の方からアプローチをかけてくるのを待つものです。最近は、インターネットを活用した適切な情報発信により、メルマガ登録や資料のダウンロードを促進して、顧客と関係性を構築し認知を獲得する方法が用いられます。

▶︎プロモーション戦略の方法

上述したようにプロモーション戦略の方法は大きく4つに分けられます。それぞれの詳細は次のとおりです。

  1. 広告宣伝

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の4マス広告のほか、「電車やバス、タクシーなどに掲載される交通広告」「街に掲載される街頭広告」「インターネット上に掲載されるネット広告」などがそれに該当します。

  1. PR

「パブリックリレーションズ(Public Relations)」の略称で、日本語では「広報」と訳されます。記者発表会やプレスリリースなどのほか、広報誌の発行もPRに含まれます。

PRについて詳しくは「パブリックリレーションズ(PR)とは?広告との違いや具体的な手法も紹介!」で解説しておりますので、あわせてご一読ください。

  1. セールスプロモーション

スーパーや百貨店などで行われるデモンストレーション販売、雑誌やインターネットによるクーポン、ノベルティの配布、試供品の提供などがセールスプロモーションです。BtoC企業ではよく使われる手法ですが、BtoB企業でも製品によっては、クラウド経由による機能限定の無料版の提供や期間限定の試用サービスなどがあります。

  1. 人的販売

イベントや展示会での対面営業、訪問営業、製品の使い方を説明するセミナー、講習会などが人的販売です。BtoB企業ではよく使われる方法で、契約継続や新規商品との入れ替えを目的とした購入後のアフターフォローもここに含まれます。

プロモーション戦略の重要性

一般的に企業が製品・サービスを販売していくためには、マーケティングミックスのフレームワークである4Pが重要とされています。プロモーション戦略もそのなかのひとつですが、それ以外のPは、「Product」「Price」「Place」で、それぞれの概要は次のとおりです。

  1. Promotion(プロモーション=販売促進)

今回解説する、認知のための戦略です。前述したような手法を用いた、自社の製品・サービスを広めるための戦略を指します。

  1. Product(プロダクト=製品)

顧客に提供する製品・サービスはどのようなものがよいのかを決めるための戦略です。誰がどこで使うのか、競合他社の製品・サービスと比べ自社だけが提供できる価値は何かなどを考える戦略を指します。

  1. Price(プライス=価格)

市場調査や競合他社の製品・サービス比較、顧客アンケートなどを参考に、製品・サービスの価格を決めるための戦略です。「競合と同機能ながらあえて低価格で売り出す」「機能をシンプルにしながらも高価格で高級感を出す」など、価格面での売り出し方を決めていく戦略を指します。

  1. Place(プレイス=流通)

製品を届けるためにどのような方法を使うかを決めるための戦略です。BtoC企業であれば、自社サイトでのネット販売、小売店・量販店などでの店頭販売が考えられます。BtoB企業の場合は、自社の営業部門による販売もしくは代理店や卸による販売、そして製品の種類によっては小売店・量販店での店頭販売などから、どの方法を選択するかを決めます。

マーケティングミックスの4Pはどれも重要ですが、そのなかでもプロモーション戦略は特に重要な戦略です。その理由としては、認知がなければほかの戦略の効果が発揮されにくい点が挙げられます。

認知が少ないということは、まだ顧客からの信頼を得ていないとも言えます。そのため、例えば競合他社に比べ多機能かつ低価格でアピールしたとしても、低価格が逆に不安要素になってしまい避けられてしまうリスクがあります。認知が少ないことが、ほかのアピールポイントを打ち消してしまうのです。

特にBtoB企業の場合、大手企業以外ではマス広告を使うケースは少ないため、最初の認知獲得が困難な傾向があります。そうした意味で4Pのなかでもまずは認知獲得を目的としたプロモーション戦略の立案が、利益を上げるうえで非常に重要なポイントになると言えるでしょう。

プロモーション戦略を立案する際のステップとポイント

では、実際にプロモーション戦略を立案する際のステップと効果を発揮するためのポイントを説明します。

▶︎具体的な目標の設定

「認知度を10%向上させる」「1年後に販売額150%を実現させる」など、具体的な数値目標を設定しましょう。これにより、その数字を達成させるには何をすべきかが見えてきます。

▶︎ターゲットの選択

誰に向かってプロモーション戦略を行うかを明確にします。市場の細分化を行い、そのなかからどの層をターゲットにするのかを決めていきます。ターゲティングの詳しい方法は、「ターゲティングとは?自社の顧客を見つけ出すための戦略やポイントを解説」をご一読ください。

▶︎プロモーションの具体的な内容を決める

ターゲットを決めたら、そのターゲットに対してどのようなメッセージを送るのかを具体的に決めていきます。ポイントは、自社の製品・サービスのブランドアイデンティティを明確にし、伝えるべきメッセージを言語化することです。ブランドアイデンティティについては、「ブランド戦略に欠かせないブランドアイデンティティをつくるポイントを解説」をご一読ください。

▶︎どのメディアを活用するかを決める

予算設定も含め、マスメディア、インターネット、イベントや展示会など、どのメディアを使ってプロモーションを行うかを決めます。基本的には、ターゲティングによって決めたターゲットが最も多く存在するメディアを選択するのがよいでしょう。また、プロモーションの実践に関しては、外部の専門家を利用するのもおすすめです。

▶︎効果検証を行う

実際にプロモーションを実践したら、必ず効果検証を行い、成果と課題点を明確にします。そのうえで、課題点を改善し、またあらためてプロモーションを実践。このPDCAを繰り返すことで認知を獲得していきます。

効果的なマーケティング戦略の実行はプロモーションから

SNSの普及により、以前に比べ情報の拡散性、リアルタイム性は格段に向上しています。しかし、質の高い製品・サービスを提供すれば必ずSNSで拡散されるとは限りません。特にBtoB企業が提供する製品・サービスは、一般の消費者が利用するわけではないため、SNSで取り上げられる可能性もあまり高くはないでしょう。

どれほど時代が変わったとしても、基本的に待っているだけでは認知は広がりません。だからこそ、企業の方から積極的にプロモーションを仕掛け、少しでも認知を拡大していく必要があります。ポイントは、「具体的な目標設定」「適切なターゲットの選択」。そして、施策を実践したらすぐに効果検証を行い、改善をし、また実践というPDCAを回していくことです。やりっぱなしではなく、常に改善を繰り返していくことがプロモーションで成果を上げるうえで重要だと言えるでしょう。