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インターナルコミュニケーションの導入に欠かせない社内報の重要性

インターナルコミュニケーションの導入に欠かせない社内報の重要性

企業が社内に向けて行う広報活動を意味する「インターナルコミュニケーション(インナーコミュニケーション)」。社内での広報活動は今までも行ってきていると思われる方も多いかもしれません。しかし、従来の社内広報はトップダウン型で一方通行ではなかったでしょうか?これからの時代、単なる「連絡」ではなく、「コミュニケーション」を軸とした広報が非常に重要な意味を持ちます。そこで、今回は今、大きな注目を集めているインターナルコミュニケーションについて、その重要性や注目を集める背景、メリット・効果、そして課題と解決の手段に至るまでをお伝えします。

インターナルコミュニケーション(インナーコミュニケーション)とは?

そもそも、インターナルコミュニケーションとは、インナーコミュニケーションとも呼ばれるもので、冒頭でも触れたように、日本語では社内広報と訳されます。しかし、厳密にはインターナルコミュニケーションと社内広報は似ているようで異なる点も少なくありません。

インターナルコミュニケーションと社内広報の違い

従来、社内広報とは、経営層からトップダウンで社員に対して行う連絡が主でした。つまり、経営層から社員という匿名性の高い集団へ向けた連絡だったのです。しかし、社員も一人ひとり違った人間であり、それぞれの仕事に対する価値観、会社への帰属意識は必ずしも同じとは限りません。そのため、経営層からの情報を全体に伝えるためには、社員という全体ではなく、「個」で見る必要があります。

社員一人ひとりに対してリスペクトを持ち、コミュニケーションを軸として情報を「連絡」ではなく「共有」するのがインターナルコミュニケーションです。

インターナルコミュニケーションの重要性が増している背景とは?

インターナルコミュニケーションの重要性が増している背景としては、次のような点が考えられます。

政府が推し進める働き方改革

「長時間労働の是正」「正規・非正規の格差解消」「多様な働き方の実現」の3つを柱に政府が推し進めている働き方改革。これにより、企業では、外国人や障害者といった多様な人材の活用、育児や介護をしながら働ける環境の整備が進んでいます。

多様な人材、多様な働き方を実現させるには、柔軟な考え方が必須であり、社員一人ひとりと向き合わなくてはなりません。そのため、従来のような画一的な広報では、対応が難しくなっているのです。

新型コロナウイルス感染拡大の影響

新型コロナウイルス感染拡大もインターナルコミュニケーションに大きな注目が集まった理由のひとつです。緊急事態宣言の発令により、多くの企業でテレワークが導入され、従来のように気軽なコミュニケーションが取れなくなっています。

実際、2020年4月、緊急事態宣言発令直後に日経BPコンサルティングが行った、「企業コミュニケーションに関する調査」(※)。このなかで、テレワークを導入した企業に課題を聞いたところ、最も多かった回答が「社内コミュニケーションが取りづらい(61.6%)」です。

全員がオフィスで働くことが当たり前ではなくなりつつある今、トップダウンによる一方通行の連絡では、経営層の思いを社員に伝えるのは非常に困難になっています。そこで、これまで以上に社員一人ひとりとのコミュニケーションが重視されるようになった結果、インターナルコミュニケーションに注目が集まっているのです。

※参考:コロナショックと企業コミュニケーション 1500人緊急調査|COL.

インターナルコミュニケーションのメリット・効果

企業として、インターナルコミュニケーションの実践にはどういったメリット、効果があるのでしょう。具体的には次のような点が挙げられます。

1)   従業員満足度の向上

少子高齢化の影響により、多くの企業で人材不足が恒常化しつつあります。そのなかでこれまでのように成長を継続していくには、まず既存社員の意見に耳を傾け、改善を行うことによる職場環境向上の実現が欠かせません。

インターナルコミュニケーションは、社員とのコミュニケーションを増やし、経営層との相互理解を深める効果があります。経営層に現場の課題が正しく伝われば、改善スピードも上がり、社員のモチベーションアップ、ひいては従業員満足度の向上につながります。

2)   離職率の低下

経営層と社員間、上司と社員間でのコミュニケーションが活性化されれば、社内の風通しが良くなり、人間関係も良好になる可能性が高まります。

厚生労働省が毎年発表している「雇用動向調査(2019年)」(※)を見ると、転職入職者が前職を辞めた理由では「職場の人間関係が好ましくなかった」が男性9.3%、女性14.8%です。この数字は、男性では「定年・契約満了」と「その他の理由」を除き2番目に多く、女性では「その他の理由」を除き最も多くなっています。

この結果からも、職場の人間関係は、離職の大きな要因のひとつだと言えます。インターナルコミュニケーションにより、職場のコミュニケーションが活性化されれば、離職率低下にも大きな効果を発揮するでしょう。

また、同時に離職率の低さは優秀な人材の確保にもつながり、人材不足解消対策としても有効です。

3)   企業文化が伝わりやすくなり共通のゴールを共有できる

トップダウンで一方通行では伝わりにくい企業文化や理念も、経営層とのコミュニケーションが活性化されれば、相互理解が進むためおのずと伝わりやすくなります。形骸化しがちな企業文化、理念もコミュニケーションのなかで共通言語が生まれ、言葉にリアリティが生まれるからです。

また、企業文化、理念が伝われば、企業としての共通のゴールを共有できるようになり、全体としてモチベーションアップにもつながります。

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インターナルコミュニケーションを成功させるためのポイント

さまざまなメリットを持つインターナルコミュニケーションですが、導入方法や手段を知らなければうまくいきません。ここでは、具体的な方法、手段と成功のポイントをお伝えします。

社内報の活用

社内広報といえば、まず社内報を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。社内報は古いのではと思われるかもしれませんが、インターナルコミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。

ポイントは、動画化やデジタル化も含め、いつでもどこでも閲覧できるようにすることです。紙媒体は形に残るうえ、じっくりと読めるため、より深く伝えたいメッセージを届けやすくなります。しかし、それだけでは不十分です。例えば、「動画を作成し、テキスト以外でも伝えられるようにする」「デジタル化し、隙間時間や移動中でも気軽に読めるようにする」など、複数の手段で伝える工夫が必要です。

ただし、さまざまな形態、デバイスで伝える工夫には多くの手間を要するため、コンテンツ制作に関しては外部に依頼するのがおすすめです。

※社内報について詳しくは「社内報とは?メリットや効果、企画のポイントを解説」をご覧ください。

常にコミュニケーションを取れる環境の整備

社内報を工夫し、いつでもどこでも閲覧できるようにしても、肝心の相互理解が進んでいなくては、なかなか見てはもらえません。そこで、経営層、上司、社員が互いに気軽にコミュニケーションを取れる環境の整備も同時に行います。

「テレワークや時差出勤を導入している企業は、空いたスペースを使い、カフェスペースやスタンディングミーティングを行える設備を設置する」「Web会議システムや社内SNS、チャットを導入し、テレワークしていても気軽に会話ができるようにする」など、かしこまった形ではなく、軽い雑談を行える環境づくりが重要です。

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インターナルコミュニケーションにおいてもコミュニケーションの軸となるのは社内報

インターナルコミュニケーションを取り入れるのに、社内報を使う必要性を感じない方は多いかもしれません。しかし、それは社内でのコミュニケーションがうまく取れておらず、社内報の内容が伝わっていないことが原因である可能性があります。

社内のコミュニケーションが取れていれば、逆に社内報の内容が雑談の話題のひとつとなる場合もあり、コミュニケーションの潤滑油となるのです。

コミュニケーションの活性化を果たし、そのうえで社内報を使い、企業文化、企業理念を伝える。この両輪がそろえば、インターナルコミュニケーション成功の確率もより高まっていくでしょう。

当社では、社内報やブランドブック、ワークショップや社内研修の企画を通じて、インターナルコミュニケーションの活性化をご支援しています。ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。