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BtoBブランディングの重要性と効果的な手法・戦略を解説

BtoBブランディングの重要性と効果的な手法・戦略を解説

ブランディングというと、BtoC企業が行うものでBtoB企業にはあまり縁がないと思っているケースは少なくありません。しかしBtoB企業であっても実際に商品・サービスの購入を決めるのは、「人」です。そうした意味ではBtoB企業であってもブランディングの重要性は理解できるのではないでしょうか。そこで今回はBtoB企業にとってブランディングとはどういったものなのか、その重要性や実施する際の手法・戦略についてお伝えします。

BtoBブランディングとは?

ブランディングとは、自社もしくは自社商品独自の特徴や価値を発信し、認知や共感を得て競合との差別化を行う一連の活動を指すものです。今回、BtoBブランディングとしていますが、BtoB、BtoCにかかわらず、ブランディングとは上述したことが一般的な定義となっています。

従来、ブランディングは、BtoC企業が消費者に対して行うものといったイメージが強いかもしれません。BtoB企業は消費者ではなく企業を相手にするため、ブランディングは重視されてはいませんでした。しかしBtoB企業においても商品・サービスの購入を決めるのは企業にいる、「人」です。

BtoBブランディングの重要性

これまでBtoB企業はBtoC企業に比べ、ブランディングは重視されない傾向がありました。しかし最近ではBtoB企業でもブランディングを重視する企業が増加しています。その理由として考えられるのは次の点です。

▶︎営業力依存からの脱却が必要となっている

従来、BtoB企業では営業部門がいかに顧客との関係性を構築できるかが、商品・サービスの売り上げに大きく影響していました。もちろん現在でも営業力が重要なのは間違いありません。しかし営業力は属人性に頼る部分が大きく、仮にトップセールスを誇る営業社員がいなくなってしまえば、それだけで売り上げが大幅に下がってしまうリスクが生じます。

また顧客が商品・サービスを探す際、インターネットから情報収集を行うのが当たり前となり、営業社員の情報だけに頼らなくなったのもブランディングの重要性が高まった要因のひとつです。これらの事象から、営業力だけに依存した販売活動では競合他社との差別化が困難になっています。特に新規顧客獲得が目的の場合、ブランド力を強化し、企業や商品・サービスの名前を知られていないと選択肢に入れてもらうことさえ簡単ではありません。そうした意味でブランディング強化による営業力依存からの脱却が重要となっているのです。

▶︎商品・サービスの質だけでは差別化につながらなくなっている

市場の成熟化や商品・サービスのコモディティ化により、商品・サービスの質だけで競合との差別化を図るのは以前に比べ困難になっています。しかし価格での差別化では、最終的には大きな資本を持つ大企業しか生き残れません。

商品・サービスの質は高いことが前提となり、そのうえで価格競争は避けなくてはならない。そうなると、競合との差別化にはブランド力が最も高い効果を発揮します。

従来、一般的なBtoC企業に比べてBtoB企業は顧客の絶対数が多くないため、ブランディングに予算をかけても費用対効果が見込めないのではといった危惧がありました。しかし現在では、予算をかけてでもブランディングに注力することが競合との差別化に欠かせなくなっているのです。

▶︎優秀な社員の獲得にもつながる

消費者ではなく企業が相手のBtoB企業は、よほどの大企業でもない限り、一般的には名が知られていない企業がほとんどです。そのため、採用時には多くの手間とコストをかけ、認知を得る必要がありました。

しかしブランディングを行い、業界内での認知度が上がれば、当然その業界への就職を目指す人にも自社の名前が知れ渡るようになります。その結果、以前ほどの手間やコストをかけずとも、優秀な社員獲得の可能性も高まるでしょう。

ブランディングの重要性や効果の詳細は、「企業ブランディングの効果と測定方法のポイントを解説」を参照してください。

BtoBブランディングを実践するための手法・戦略

BtoB企業にとってもブランディングは重要であり、成功すればさまざまなメリットを享受できます。では、BtoB企業がブランディングを実践していくためには、どのような進め方でどのような手法・戦略が必要なのでしょうか? 具体的には次のようなポイントが挙げられます。

BtoBブランディングの進め方

▶︎ブランディングを行うための専門チームを構築する

ブランディングは企業全体で取り組んでいく必要があります。そのため、広報部や総務部などのひとつの部署だけで取り組むのではなく、ブランディング専門のチームを構築し、進めていくようにしましょう。

重要なポイントは多くの部署から人材を集め、多角的な視点で市場分析や自社の現状分析をすることです。営業部・経理部・製造部・マーケティング部など、どの部門も何かしらの形で自社商品・サービスに関わっているため、それぞれの部署から人材を集め専門チームを構築します。

▶︎ブランドアイデンティティを明確にする

専門チームで市場分析や自社の現状分析を行ったうえで、ブランドアイデンティティを明確にします。顧客に対し、「どのような価値を提供したいのか」「どのようなイメージを持ってもらいたいのか」「他社にはない自社だけの特徴とは何なのか」などを明確にしていきます。

ブランドアイデンティティの詳細を知りたい場合は、「ブランド戦略に欠かせないブランドアイデンティティをつくるポイントを解説」をご一読ください。

▶︎ブランドの名前やロゴ、キャッチフレーズなどを決める

ブランドアイデンティティが決まったら、実際にブランドの名前やロゴ、キャッチフレーズなどを決めていきましょう。前段までのコンセプトも重要ですが、顧客の目に直接入るのは、名前やロゴ、キャッチフレーズです。ブランディング戦略を行っていくうえでも欠かせないものとなるため、社内だけで難しい場合は外部に依頼してもよいでしょう。

BtoBブランディングの手法・戦略

▶︎広告を活用する

ブランディングを行ううえで、広告は欠かせない手法のひとつです。顧客の絶対数が少ないので広告は意味がないのではと思われるかもしれません。しかし認知を得るには広告が最も効果が高く、使い方によってはコストを抑えることも可能な手法です。テレビやラジオ、雑誌などのマス広告以外にもWeb広告など予算に応じて最適な方法で認知拡大を目指しましょう。

▶︎インターネットの活用

現在、多くのBtoB企業が自社サイトを持ち、情報発信を行っています。またブログやFacebookTwitter、InstagramなどのSNSのアカウントを持っている企業も少なくありません。これらのサービスを活用してブランディングを行っていきます。

使い方は企業によって異なりますが、自社サイトやブログで商品・サービスに関する情報や自分たちが属する業界の情報などを広く発信し、それをSNSで拡散する手法が一般的です。

またBtoB企業の場合、顧客専用のECサイトを立ち上げ、大量購入や新規顧客向けの見積もり、急ぎ対応などをネット上で行えるようにするのもおすすめです。既存顧客はもちろん、新規顧客獲得につながるうえ、困ったときはここに来れば何とかなるといった評判になれば、それもまたブランディングにつながるでしょう。

限られた顧客相手だからこそブランディング強化が顧客獲得につながる

BtoB企業はBtoC企業に比べ顧客の数が少ないので、ブランディングに予算をかけてしまうと、その分のコストを商品・サービスの値上げで対応しなくてはならないのでは、と考える企業が少なくありません。しかしインターネットの普及や技術の進化により、商品・サービスの質や価格だけで競合との差別化を図るのは非常に困難になっています。そこで重要になるのがブランディングです。

 BtoB企業は顧客が少ないからブランディングしても意味がないのではなく、限られた顧客だからこそブランディング強化が顧客獲得の重要なポイントとなるのです。特に、新規顧客獲得に悩むBtoB企業はブランディングによって、長く付き合える顧客を効率的に獲得することをおすすめします。