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ブランドブックの作り方とは?活用されやすい冊子にするポイントも解説!

ブランドブックの作り方とは?活用されやすい冊子にするポイントも解説!

「社員にブランドへの誇りを感じてもらえるようなブランドブックの作り方を知りたい」と考えている担当者の方も多いのではないでしょうか。ブランドブックは「製品の価値」や「経営の方向性」を現場へ視覚的に周知できるため、インナーブランディングとして有効な施策です。一方で、作り方を誤ると社員からあまり興味を持ってもらえず、期待したような効果を発揮できないケースもあります。

そこで本稿では、活用されやすいブランドブックの作り方やポイントについてわかりやすく解説します。大前提となる「ブランドブックの目的」も説明しますので、ぜひ「なぜブランドブックを制作したいのか」という問いを意識しながらご一読ください。

※「そもそもブランドブックとは何か」を詳しく知りたい方は、「ブランドブックとは?インナーブランディングに欠かせないブランドブック活用のポイント」の記事もご覧ください。

そもそもブランドブックの目的とは?

そもそもブランドブックとは、どのような目的で制作・配布するのでしょうか。
ここでは、ブランドブックの目的を以下の3つに分けて解説します。

(1)社員にブランドの価値を知ってもらうため

ブランドブックは、社内に配布することで、社員に自社サービスの価値を深く理解させることができます。例えば、「商品に使われている技術」や「ブランドの歴史」、「自社独自の強み」などを周知させることが可能です。社員はブランドに込められた想いを知ることで、仕事に意義を見出し、モチベーションを高められるでしょう。

(2)対外的にファン獲得につなげるため

近年はブランドブックを社外にも公開し、対外的なファン獲得につなげている企業もあります。例えば、店頭で配布したり、自社サイトで公開したりすることで、顧客にブランドの意義やこだわりを発信することが可能です。その結果、顧客がブランドにより深い愛着を持つようになり、リピーターの獲得も期待できます。

(3)自社にマッチする人材を採用するため

ブランドブックを採用広報で活用し、人材の獲得につなげることも可能です。例えば、採用ホームページで公開したり、就職説明会で配布したりすることで、求職者に自社の企業文化についての理解を促進できます。自社に共感する応募者を増やすことで、社風に合う人材を採用できる可能性が高まり、入社後の定着も図りやすくなるでしょう。採用広報について詳しくは、「採用広報とは?今取り組むべき理由や具体的な手法、成功のポイントを解説!」の記事もご一読ください。

ブランドブックの作り方を“8ステップ”で解説!

ブランドブックを実際に制作する際は、どのような流れで進めればよいのでしょうか。
ここでは、ブランドブックの作り方を8つのステップに分けて解説します。

STEP1:ブランドブックの目的を明確にする

まずは、ブランドブックを制作する「目的」を明らかにします。例えば、「企業理念の浸透を目的に社内で配布したい」「採用ツールとして求職者に公開したい」「対外的なブランディングにつなげるために店頭に設置したい」などの内容です。用途を先に明確にしておくことで、デザインや文章の方向性を決めやすくなります。

STEP2:ブランド戦略を定義する

ブランドブックの制作を進める前に、製品そのもののブランド戦略を明確にしておくことも欠かせません。具体的には、自社ブランドの想定ターゲット、特徴やこだわり、競合ブランドと比べた際の強みなどを洗い出します。ブランド自体の戦い方を決めておけば、ブランドブックで訴求すべき内容をスムーズに決定できます。

また、ブランドに適した色やフォント、文章の世界観など、制作物における一貫したルール(トーン&マナー)の設定も必要です。トーン&マナーが明確であれば、メッセージやデザインにブレが生じにくくなるでしょう。

STEP3:制作体制を構築する

続いて、制作体制を構築します。ブランドブックの制作には、デザインや印刷などの専門知識が必要です。そのため、自社だけで制作するのが難しい場合は、早期に外部企業へ相談してチームに加わってもらいましょう。

具体的には、全体の指揮をとる「ディレクター」、文章を執筆する「コピーライター」、紙面をデザインする「デザイナー」、印刷や加工を行う「印刷会社」などの手配が必須です。基本的に、専門の制作会社に依頼すれば、必要なクリエイターや印刷会社を一括して手配してもらえます。自社からの手配が困難な場合は、ブランドブックの制作実績を持つ制作会社へ相談するとよいでしょう。

STEP4:コンセプトと構成を決める

各ページのコンテンツを制作する前に、ブランドブック全体のコンセプトを決定します。コンセプトとは、「誰に、何のために、何を伝えるのか」を端的にまとめたものです。例えば、「社員に向けて、製品のこだわりや職人の技を紹介し、自社のブランドに対する誇りを持ってもらう」といった内容が挙げられます。冊子全体のコンセプトが明快になっていれば、各ページを制作する際にもメッセージに一貫性が生まれやすくなるでしょう。

また、コンセプトに沿って、ブランドブック全体の構成やページ割りを考えていきます。構成を決める際は、目的に合わせて「読み手に必ず伝えるべき情報」を整理しておくと、内容に過不足も生じにくくなるでしょう。

STEP5:サイズ・印刷・加工方法を決める

構成と並行して、ブランドブックのサイズ・印刷・加工方法も決めます。

サイズは、A4(210×297ミリ)、B5(182×257ミリ)、A5(148×210ミリ)などの、持ち運びやすい大きさにすることが一般的です。印刷・加工方法は、一般的なオフセット印刷のほか、箔押しやエンボス加工などによって印刷物にインパクトや独特な風合いを与えることもできます。また、中綴じ製本、無線綴じ製本、観音折り、ジャバラ折りなどによって、出来上がりの形状も異なります。

冊子全体のコンセプトや、読む人の使いやすさなどを考慮し、それぞれ最適なものを選ぶことが重要です。

STEP6:ライティング・デザインを進める

コンセプトと構成に沿って、各ページの文章を執筆します。現場社員へのインタビューが必要な場合は、取材や写真撮影から始めます。各ページの文言が確定したら、デザイナーに紙面のデザインを依頼します。

文章やデザインは、適宜確認と修正を行うことも欠かせません。チェックする際には、「トーン&マナーに沿った言葉遣いや配色になっているか」「ターゲットと親和性の高い表現か」などを細かく確かめることが大切です。

STEP7:色見をチェックし、印刷する

文章やデザインが確定すれば、最後は印刷・加工の工程です。印刷の前には、実際の印刷方法と同じやり方で試し刷りして、色見をチェックしましょう(色校正)。事前に色の出方を確認しておくことで、期待値と完成形との大きなズレを防げます。その後、印刷・製本を経て、ブランドブックの完成です。

STEP8:社内外に公開する

完成したブランドブックは、社員に配布する、店頭に設置するなどして活用を進めます。社外へのブランディングにも利用したい場合には、制作したブランドブックのデータを自社のホームページで公開するのも効果的です。インターネット上で公開すれば、より多くの人にブランドのこだわりを知ってもらえるでしょう。

活用されやすいブランドブックを作るポイントとは?

多くの人に読まれ、活用してもらえるようなブランドブックを作るには、どうすればよいのでしょうか。
ここでは、効果的なブランドブックの作り方について、3つのポイントを紹介します。

(1)シンプルな言葉と構成にする

製品の性能を細かく伝えようとすると、つい専門用語や社内用語を多用してしまいがちです。読み手が同業者や自社の社員ではない場合、そのような文章は理解してもらえない可能性が高いでしょう。社外にも公開するのであれば、できるだけ専門用語を使わず、わかりやすい言葉で表現することが大切です。

また、伝えたいことがたくさんあり、内容を詰め込みすぎたために構成が複雑になり、読んでもらえないケースもあります。伝えるべき要点を整理して、シンプルな構成にすると、気軽に読みやすいブランドブックになるでしょう。

(2)ブランドの「ストーリー」を伝える

ブランドブックで淡々と製品の性能を語るだけでは、読み手の共感を得ることは難しいかもしれません。重要なのは、ブランドの背後にある「ストーリー」を紹介し、読み手の感情に訴えかけることです。例えば、「忙しい主婦の家事がラクになればと願って、この製品を開発した」というように、ブランドを生み出した理由を語ります。ストーリーを伝えることによって、読み手のブランドに対する共感を高められれば、ファン獲得につながります。

(3)戦略立案から携わってくれるパートナー企業を探す

ブランドブックを制作する際、ブランディングの方向性が定まっていないままクリエイターに発注すると、文章やデザインが期待していたイメージとズレてしまう可能性も高いです。そのため、あらかじめ自社のブランド戦略を明確にしたうえで、制作に臨むようにしましょう。

制作会社のなかには、製品の強みやポジショニングを入念にヒアリングしたうえで、ブランド戦略の立案から携わってくれる企業もあります。ブランディングの部分から伴走してくれるパートナー企業に依頼することで、メッセージがより強固なものになり、効果的なブランドブックを制作できるでしょう。

まとめ

多くの人に読まれるようなブランドブックを制作するためには、目的や用途を明確にし、読んでほしい相手を常に意識することが重要です。同時に、ブランドそのものの戦略や方向性を明らかにしておくことも必須です。目的とブランド戦略を明確にすることで、メッセージの内容も洗練され、より読み手の心に届くようなブランドブックができあがるでしょう。

当社では、創業から100年以上にわたる印刷事業を通じて、数多くの企業のブランドブックを制作してきました。最上流であるブランド戦略の立案からコンテンツの企画、クリエイターの手配、ディレクション、製本までを一貫して支援することが可能です。ブランドブックの制作をご検討の際には、ぜひお気軽にご相談ください。