ブログ

採用のKPIはどう設定すればいい?主な指標や設定の流れ・ポイントを分かりやすく解説!

採用のKPIはどう設定すればいい?主な指標や設定の流れ・ポイントを分かりやすく解説!

採用活動においてKPIを設定したいものの、「どのような指標を用いればいいか迷っている」という方も多いのではないでしょうか。採用活動では適切なKPIを設定しておくことで、選考基準がより明確になったり、年間の採用目標をスムーズに達成しやすくなったりします。そのため、自社に適したKPIの設定方法を把握しておくことが不可欠と言えるでしょう。

そこで今回は、「採用活動におけるKPIの種類」や「KPIを設定するプロセス」について分かりやすく解説します。また、KPIを設定するポイントも紹介しますので、採用活動へ取り組む際にぜひ参考にしてみてください。

採用活動におけるKPIとは?

そもそも採用活動において、KPIはどのような意味を持つのでしょうか。
ここでは、採用活動におけるKPIの定義と主な指標について解説します。

(1)そもそもKPIとは?

KPIとは、「Key Performance Indicator」の略語で、「重要業績評価指標」とも訳されます。端的に言うと、KPIとは、最終目標を達成するために各プロセスで追いかけるべき「中間目標」とも言えるでしょう。ちなみに最終目標のことを「KGI(Key Goal Indicator)」=「重要目標達成指標」とも呼びます。KPIを設定する際には、必ずKGIという最終ゴールを設定したうえで、そこから逆算して各プロセスの数値を割り出すことが不可欠です。

(2)採用活動におけるKPIの主な指標とは?

どの企業も採用活動の最大の目的は、「必要な人数の人材を獲得すること」にあります。そのため、採用活動におけるKGIは「採用人数」になることがほとんどです。例えば、「令和4年度の新卒採用者数○○人」のようなKGIになるでしょう。KPIはそれを達成するために必要な中間目標なので、以下のような指標が挙げられます。

◆採用説明会の参加人数
◆エントリーの人数
◆書類選考の合格者数
◆一次面接の合格者数
◆二次面接の合格者数
◆最終面接の合格者数
◆内定承諾者の人数

こうして各選考プロセスで目標を設定すれば、スムーズに最終目標の採用人数を実現できるようになります。企業によっては、人数とは別に割合(応募率や面接合格率、内定承諾率など)をKPIにすることも珍しくありません。また、人材の数ではなく「質」を重視したい際は、「評価点A以上の人数」や「入社後3年間離職しなかった人数」などをKPIにする企業もあります。自社の目指すKGIに合わせ、KPIを使い分けることが大切です。

採用活動でKPIを設定する目的とは?

採用活動において、KPIを設定する目的とは何なのでしょうか。
ここでは、大きく3つの目的について解説します。

(1)目標達成までの道筋を明確にするため

KPIは、KGIという最終目標を達成するまでの「道筋」のようなものです。採用活動でKPIを設定すれば、採用説明会・書類選考・面接といった各選考プロセスにおいて、「何人の求職者を集めればよいのか」が明らかになります。各プロセスのKPIを順に達成していくことで、スムーズに最終目標へ到達しやすくなるでしょう。

(2)関係者の役割を明らかにするため

各選考プロセスにおけるKPIを決めておけば、関係者それぞれの役割も明らかになります。例えば、「採用説明会の参加人数○○人」というKPIを設定した場合は、採用説明会の担当チームが目標の達成に向けて、採用広報や説明会の内容を工夫できるようになるでしょう。また、「内定承諾者の人数○○人」というKPIを設定した場合は、採用担当者が内定者への魅力づけや内定後フォローに注力できるようになります。こうして各選考プロセスの担当者が自身の目標達成に責任を持てるようになるため、全体的な成果にもつながりやすくなるでしょう。

採用広報について詳しく知りたい方は、「採用広報とは?今取り組むべき理由や具体的な手法、成功のポイントを解説!」の記事もあわせてお読みください。

(3)採用上の課題を発見・解決しやすくするため

選考プロセスごとにKPIを設定しておけば、達成できている指標と同時に、「達成できていない指標」も明らかにできます。つまり、採用活動においてどのプロセスに課題があるのか、見極めやすくなるということです。例えば、「一次面接の通過人数が目標より少ない」という課題が生じた場合には、「面接官の選考基準を緩和する」「選考辞退を防ぐために面接で魅力づけを行う」などの打ち手を講じることになります。このように課題が分かれば、解決に向けてスピーディーに対策を打てるようになるため、最終目標の達成も目指しやすくなるでしょう。

採用活動でKPIを設定する方法・流れとは?

採用活動でKPIを設定する際には、具体的にどのような流れで進めればよいのでしょうか。
ここでは、採用活動でKPIを設定する方法について、3つのステップで解説します。

(1)過去の歩留まり率を把握しておく

「歩留まり率」とは、各選考プロセスにおいて、合格して次のステップに進んだ求職者の割合のことを言います。

例えば、昨年の採用活動において「内定者5名」「最終面接の合格者10名」「一次面接の合格者50名」「書類選考の合格者数250名」「エントリー数500名」だったとします。すると、歩留まり率は以下のような数字です。

▼内定承諾率:50%(10名中5名が内定を承諾)
▼最終面接の合格率:20%(50名中10名が合格)
▼一次面接の合格率:20%(250名中50名が合格)
▼書類選考の合格率:50%(500名中250名が合格)

まずはこのように過去の歩留まり率を把握しておくことで、今回の採用活動で現実的に何人の求職者を集められるかが明確になります。そして、各選考プロセスでより実現可能なKGI・KPIを設定できるようになるでしょう。

(2)KGI(最終目標)を定める

続いては、今回の採用活動におけるKGI(最終目標)を決めます。例えば、「1年間の新卒入社人数10名」といった数字です。その際、「過去の歩留まり率」や「自社の経営戦略」、「各部署に必要な人材の人数」、「予想される退職者数」なども勘案したうえで最終目標を決めておくと、より適切な人数の入社者を獲得できるでしょう。

(3)KGIから逆算し、各選考プロセスのKPIを決める

最後はKGIから逆算して、各選考プロセスにおける目標人数(KPI)を決めていきます。この際、過去の歩留まり率を参考にすると、無理のない採用目標を立てることが可能です。仮に「1年間の新卒入社人数10名」というKGIを設定した際は、以下のようなKPIを設定することになります(※( )内の数字は想定歩留まり率)。

▼入社決定・内定者数:10名(内定承諾率:50%)
▼最終面接の合格者数:20名(最終面接の合格率:20%)
▼一次面接の合格者数:100名(一次面接の合格率:20%)
▼書類選考の合格者数:500名(書類選考の合格率:50%)
▼エントリーした人数:1,000名 ※求人媒体A社で700名、求人媒体B社で300名の応募を想定

上記のように各選考プロセスでKPIを達成していくと、「入社決定数10名」というKGIも達成できます。ちなみに転職エージェントや転職サイトなど、複数の採用チャネルを活用する際は、各チャネルでエントリー人数のKPIを設けることも大切です。媒体ごとに達成状況を把握しておくと、翌年の採用活動で媒体選定に活かせます。

採用活動でKPIを設定・運用するポイントとは?

採用活動でKPIを設定・運用する際、意識すべきことはあるのでしょうか。
ここでは、採用活動でKPIを設定・運用するときのポイントについて解説します。

(1)期限内で実現可能な目標にする

採用活動でKPIを設定する際には、期間内で実現可能な指標にすることが大切です。難易度の高いKPIを設定してしまうと、各選考プロセスで「求職者を合格させること」が目的になってしまい、人材の質が下がってしまいかねません。そのため、前年度の歩留まり率や転職市場の市況も踏まえ、現実的なKPIを設定しましょう。

(2)重要な指標をいくつかに絞る

採用活動のKPIを選ぶ際には、指標の数をいくつかに絞ることも重要です。あまりに多くのKPIを設定しすぎると、進捗を追いかけるのに手間がかかってしまいます。また、どの指標も達成率が中途半端になり、期待した成果を出せない可能性もあるでしょう。そのため、必要性をよく吟味して指標を選ぶことをおすすめします。

(3)リアルタイムに数値を把握し、軌道修正する

採用活動でKPIを設定したあとは、進捗をリアルタイムに管理・分析することが大切です。進捗が著しく悪いようであれば、KPIの数値そのものを見直すことも検討しましょう。KPIの実現可能性が低いと、関係者が無理に目標を達成しようとして、選考基準の軸が揺らいでしまうリスクもあります。KPIを柔軟に軌道修正することで、関係者が落ち着いて各選考プロセスに向き合えるようになり、より本質的な採用活動を実施できるでしょう。

(4)採用手法の改善につなげる

一連の採用活動が終わったあとは、KPIの進捗を振り返って採用手法の改善につなげることも大切です。例えば、エントリー数が想定より少なかった場合は、採用ターゲットを見直したり、採用広報のチャネルを増やしたりすべきでしょう。また、面接の通過率が極端に低い場合には、選考基準の改善が必要かもしれません。このようにPDCAを回しながら採用手法をブラッシュアップすることで、より目標を達成しやすい体制を築けるでしょう。

まとめ

採用活動でKPIを設定することで、スピーディーに採用フローを見直し、最終目標をスムーズに達成しやすくなります。前年度の採用結果を振り返ったうえで、最適なKPIを設定するようにしましょう。また、KPIを達成するには、採用広報を通じて求職者へ会社の魅力を正しくアピールしておくことが大切です。採用広報に力を入れることで、エントリー数を増やしたり、ミスマッチを防いで内定承諾率を高めたりすることもできるでしょう。

当社では、創業から100年以上にわたって培ったノウハウを生かし、企業の採用広報をお手伝いしています。採用ブランディングの企画から社外向けに公開する「Web社内報」の制作まで、幅広い手法で企業の魅力を求職者へ発信することが可能です。エントリー数や採用数の増加を目指す際は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。