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企業理念を浸透させる取り組みとは?浸透しない原因や成功のポイントを解説!

企業理念を浸透させる取り組みとは?浸透しない原因や成功のポイントを解説!

企業理念の浸透を図ることは、社内の一体感を醸成するために必要な取り組みです。しかし、社員に企業理念を“自分事化”させるのは難しく、現場への理念浸透がなかなか進まないという企業も多いかもしれません。企業理念を浸透させるためには、「そもそもなぜ浸透しないのか」という原因を念頭に置いたうえで、効果的な施策を検討することが大切なのです。

そこで本稿では、「企業理念が浸透しない原因」や「企業理念を現場へ浸透させる具体的な取り組み」について分かりやすく解説します。また、取り組みを成功させるためのポイントも合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

企業理念を浸透させる目的とは?

そもそもなぜ企業理念を現場に浸透させる必要があるのでしょうか。
ここでは、企業理念を浸透させる目的について解説します。

(1)企業と社員の方向性を一致させるため

企業理念とは、企業の「進むべき方向性」を言語化したものです。これが現場に共有されていれば、社員と企業の考え方が一致し、社員はたとえ細かな指示を受けなくても業務に取り組めるようになります。社会が激変する現代では、経営層が細かく社員に最適な指示を出すことは困難です。その点、企業理念が浸透している状態であれば、社員一人ひとりが企業の一員としてふさわしい行動を自律的に考え、パフォーマンスを発揮できるでしょう。

(2)社員のエンゲージメントを高めるため

企業理念は、「企業が社会に提供できる価値」を表現したものでもあります。だからこそ、企業理念が現場に浸透することで、社員は「仕事を通じて誰かの役に立っている」という実感を得られるようになるでしょう。その結果、自分の仕事や職場に愛着を持てるようになり、エンゲージメント向上にもつながります。リモートワークが当たり前になり、エンゲージメントの低下が問題視されている今だからこそ、企業理念の浸透は不可欠です。

(3)企業のイメージアップにつなげるため

企業理念を浸透させることで、社員一人ひとりが企業理念に沿った行動を取れるようになります。すると、社員の行動を通じて、商品やサービスの受け手である顧客・消費者にも企業の思いが伝わりやすくなるでしょう。その結果、世の中から「信念を持って経営している会社」「信頼できそうな商品」というポジティブな印象を抱かれやすくなります。こうした企業のイメージアップによって、コアなファンの獲得につなげることも可能です。

企業理念が社員に浸透しない原因とは?

企業理念が社員に浸透しない場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
ここでは、企業理念が浸透しない4つの原因について解説します。

(1)経営層と現場の距離が遠い

企業理念が浸透しにくい企業の特徴として、「経営層と現場の距離が遠い」という特徴が挙げられます。そもそも経営層が社員から信頼されていなければ、どれだけ企業理念について本気でメッセージを発信しても、受け入れてはもらえません。経営層と社員の距離が遠いのは、「縦」のコミュニケーションが不足しているからです。そのため、まずは経営層と社員間のコミュニケーションの場を設け、意思疎通の土壌を整える必要があります。

(2)企業理念の意味が社員に伝わっていない

理念浸透が進まない原因として、企業理念の意味が社員に伝わっていないケースが考えられます。企業理念の策定後、「Webサイトを更新しただけ」「朝礼で紹介しただけ」で終わっている場合、企業理念の意義が伝わっていない可能性も高いです。社員が「企業理念の意味が分からない」「何のための企業理念なのか知らない」という状態では、当然ながら企業理念の浸透は進みません。理念浸透には、企業理念の「理解促進」が不可欠です。

(3)企業理念と業務がリンクしていない

企業理念の意味を社員に理解させても、業務との関連性がなければ、机上だけの知識に終わってしまいます。社員側も、「企業理念の重要さを頭では分かっているが、日々の業務でどのような行動をすればよいか分からない」という状態に陥ってしまうでしょう。この場合、企業理念を毎日の朝礼で唱和したとしても、社員はピンと来ないまま過ごすことになります。そのため、理念浸透を図るには、具体的な行動や業務にひもづけることが必要です。

(4)企業理念を順守しても評価されない

企業理念の浸透がなかなか進まない場合、「企業理念に沿って行動するメリット」を社員が感じられていない可能性があります。例えば、社員が企業理念を順守しても「誰からも称賛・尊敬されない」「社内での評価も上がらない」という状態では、企業理念に沿って行動しようとする動機も起きないでしょう。そのため、企業理念をスムーズに浸透させるには、「企業理念を体現することで得られるメリット」も社員に提示することも重要です。

企業理念を現場に浸透させる取り組み・施策とは?

企業理念を社内に周知し、浸透させる取り組みのことを「インナーブランディング」と呼びます。
ここでは、インナーブランディングを実施する際の流れを、“4つ”のステップに分けて解説します。

インナーブランディングについて詳しく知りたい方は、「インナーブランディングとは?実践の重要性とメリット、成果を上げるためのポイントを解説」の記事もぜひ合わせてお読みください。

STEP1:経営層と社員の距離を縮める

全社が一体となって理念浸透に向き合うために、まずは経営層と社員の距離を縮めることが大切です。施策の例として、経営陣と社員が直接会話できる集会「タウンホールミーティング」、社長と現場の社員が一緒に食事を囲む「社長ランチ」、社長が個人の想いをWeb上で発信する「社長ブログ」などが挙げられます。社員が経営層との距離の近さを感じるようになれば、企業理念に関するメッセージも好意的に受け取るようになるでしょう。

STEP2:企業理念の意義を社員に共有する

企業理念の浸透に欠かせないのが、企業理念に対する「理解」です。そのため、社員に企業理念について理解を深めさせるような機会も積極的に設けましょう。例えば、企業理念の意義や内容について教示する「理念浸透研修(階層別)」、部署やチーム単位で企業理念について学び合う「理念勉強会」などが挙げられます。また、企業理念に込められた背景や狙いを「理念カード」にまとめ、社員に配布して携帯させるのも効果的です。社員に企業理念の意義を理解させ、方向性に共感を抱かせることができれば、理念浸透もより図りやすくなるでしょう。

STEP3:企業理念を日々の業務とひもづける

企業理念を浸透させるには、「企業理念をどう業務で生かせばよいのか」を社員に考えさせることも大切です。例えば、社内報のなかで、「企業理念に沿った行動の例」を紹介するのもひとつの方法でしょう。また、1on1ミーティングを通じて、管理職が部下と一緒に今後の行動プランについて話し合うという方法もあります。あるいは、日々の朝礼で「企業理念の重要さを体感したエピソード・事例」を社員に発表してもらうのもよいでしょう。企業理念と業務がリンクし始めれば、社員も日々のなかで企業理念を意識し、自律的に行動できるようになります。

社内報について詳しく知りたい方は、「社内報とは?メリットや効果、企画のポイントを解説」の記事も合わせてお読みください。

STEP4:企業理念を評価・褒賞に反映する

企業理念に沿った行動をより強くあと押しするには、「称賛の場」を設けることも重要です。例えば、企業理念に沿って行動できた社員を、社長が表彰するのも効果的でしょう。また、管理職が部下の「企業理念に沿った行動」を称賛するだけでも、部下のモチベーションにつながります。加えて、人事評価に企業理念の体現度を組み込むのもひとつの方法です。企業理念と評価が直結していれば、社員も理念浸透に前向きに取り組めるようになります。

企業理念を現場へ浸透させるポイントとは?

企業理念を現場へ浸透させるためには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。
ここでは、企業理念を浸透させるためのポイントについて解説します。

(1)長期的に取り組みを継続させる

企業理念を浸透させるためには、企業理念を社員に深く理解させ、行動を促進し、習慣化させる必要があります。こうした流れは決して一朝一夕で実現できるものではなく、長い時間がかかることがほとんどでしょう。そのため、「3カ年計画」「5カ年計画」など、長期スパンでのスケジュールを立てて理念浸透に取り組むことが大切です。短期的に成果が見えないからといって途中でやめるのではなく、粘り強く継続する姿勢が求められます。

(2)経営陣が本気になって取り組む

企業理念の浸透プロジェクトは、経営陣が旗振り役となって進めることが通例だと思います。しかし、経営層が「なんとなく必要だから取り組んでいる」というあいまいな姿勢で臨んでいると、それが社員にも伝わってしまうものです。だからこそ、社長をはじめとする経営層がいかに本気で理念浸透に取り組んでいるのかを、社員に示すようにしましょう。経営陣がまずは率先して企業理念に沿った行動をし、お手本を見せることが大切です。

(3)定期的に成果を振り返る

企業理念の浸透は、長期的なプロジェクトになります。そのため、理念浸透の進捗を定期的に振り返ることも大切です。成果を調べる方法のひとつに、社員アンケートがあります。例えば、「企業理念の意味を理解しているか」「企業理念を業務で意識できているか」といった設問で社員アンケートを実施することで、企業理念の浸透度を測定しやすいでしょう。社員からの声を生かして施策を柔軟に改善すれば、より浸透も図りやすくなります。

社員アンケートについて詳しく知りたい方は、「なぜ社員アンケートが必要なのか?企業経営に生かせるアンケートの手順とポイント」の記事も合わせてお読みください。

まとめ

企業理念を浸透させるには、社員に企業理念を「理解」させ、「行動」を促し、「習慣化」させるというプロセスを経ることが大切です。それぞれのフェーズで最適な取り組みを展開することで、より企業理念が浸透しやすくなり、社内の一体感も高まるでしょう。また、理念浸透の施策を運用するには、人材育成やインナーブランディングの専門的なノウハウが必要です。そのため、外部の専門企業に協力を依頼することも有効な戦略でしょう。

当社では、創業100年以上にわたって培ったブランディングの専門性を生かし、企業のインナーブランディングを支援しています。社内報や社内研修、ブランドブックをはじめとする幅広いインナーブランディングの施策を、企画から運用まで一貫してサポートすることが可能です。企業理念の浸透に課題をお感じの際は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。